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2012年4月

2012年4月26日 (木)

簡単なカーネーションと花束の作り方-1

      父の日のための簡単なバラの作り方(第2弾:本格1枚折り)はこちらです。

これまで、様々な折り紙作家の方々のカーネーションや、9セル隣接構造のカーネーションをご紹介してきましたが、どれも手順が複雑で難しくいものが多くなってしまいました。

簡単なカーネーション

そこで、お子さんがお母さんへのプレゼントのために折れるような、比較的簡単なものをご紹介したいと思います。

最初に簡単なカーネーションを作成し、次回は母の日のプレゼント用に一輪の花束にアレンジしてみましょう。

今回は、少ないおこずかいで母の日のプレゼントを何とかしようと考えている、良い子のみんなのために、折り方の詳しい手順も公開してみます。
(このブログとしてはめずらしいですが、折り紙の楽しさを広く味わっていただくためと、本ブログの読者層を広めようという魂胆です。)

なお、この作品や作り方が、このブログや小生を離れて勝手に一人歩きすることは望んでいませんので、無断で転載したり二次利用することはご遠慮ください。個人で楽しむ範囲(お母さんへのプレゼントなど)でご利用ください。

簡単なカーネーションのアレンジ

今回のミッション(?)のターゲットは「簡単にできる」カーネーションなので、折り紙的に「どうのこうの」はこの際完全に無視して、「簡単にできる」ためなら手段を選ばない(ハードボイルド的?)感覚でお送りしたいと思います。

今回着目したのは、実物のカーネーションがナデシコやセキチクを品種改良してできている点です。そこで折り紙の世界でも、ナデシコ(あるいはセキチク)をベースにカーネーションを構成してみようという算段です。

具体的な花の構造は、先に示した市川学氏のカーネーションがなかなか素晴らしかったので、どうせなら複数セル独立配置構造を実現してみたいと思います。

この段階で両面同色折り紙が必要となり、これまでのポリシーに反しますが、非情のライセンス的に(手段を選ばず)このまま突っ走ってみましょう。

ナデシコ(あるいはセキチク)を1つのセルとして採用し、複数セル独立配置構造を実現してみます。

市川学氏のカーネーションがそうだった様に、1枚の紙で独立セルを複数構成することは非情に難しいです。そこで今回は「簡単にできる」を最優先するため、1枚の紙で1つのセルを作り、複数個組み合わせるユニット構成としました。

端的に言うと、伝承のナデシコをセルとして4つ用意して糊で張り合わせるという構成です。(「手段を選ばない」って意外といいかも)

伝承のナデシコ
伝承のナデシコ

伝承のナデシコは、アサガオ(伝承)と同じ折り方で、最後に広げる前に丸く切り取ればアサガオ、ギザギザをつけて切り取った場合にナデシコになります。一般にはアサガオのほうが良く知られているようです。

伝承のナデシコの折り方は後ほど詳しく説明することにして、先に全体の流れと組み立て方法を説明しておきます。

今回の複数セル独立配置構造のカーネーションは、セルとして伝承のナデシコを4個使います。

まず、両面同色折り紙(7.5cm)で4個のナデシコを折っておきます。ここでは15cmのタント紙 を1/4に切って使用していますが、もう少し薄手の両面同色紙のほうが、花の柔らかい感じが出しやすいかもしれません。

Imgp0963
ナデシコが出来上がったら、花がすり鉢状になるようギャザーを入れておきます。

次に、これらのセル(ナデシコ)を張り合わせていきます。

Imgp0965
ナデシコ2つを糊付けしたところ。裏側の観音開きになっている扉同士を接着してゆきます。

Imgp0974
4つのセル(ナデシコ)をつなげたころ。接着した扉の上部にギザギザに切り込みを入れておくと、花びらとしての効果が期待できます。

Imgp0975
つなげたセル(ナデシコ)を輪を閉じるように、すべて糊付けします。

糊が乾くのを待って、形を整えれば4セル独立構造のカーネーションの完成です。

4セル独立構造のカーネーション

4セル構成なので、中央に隙間が出来てしまいやすいですが、各セルを中央にしっかり寄せるように形を整えてください。

以上が全体の流れと組み立て方です。

それでは、ナデシコ(伝承作品)の折り方を手順を追ってご紹介しましょう。

Imgp0935
1.折り紙を用意します。

カーネーションは両面同色の紙(7.5cm)を用いますが、初めて折るときは普通の折り紙で一度練習しておいたほうがよいでしょう。

Imgp0935
2.三角形に折ります。

Imgp0936
3.もう一度三角に折ります。

Imgp0937
4.折った三角を開いて四角にたたみます。

Imgp0938
5.裏側も同様です。正方基本形が完成しました。

Imgp0939
6.正方基本形の幅を狭めるように、中心に合わせて折ります。

カーネーションを組み立てる際に糊付けするのはこの部分です。

Imgp0940
7.裏側も同様です。

Imgp0942
8.上部を切り取ります。

いきなり円形にギザギザに切るのは難しいので、角を落としておきます。

Imgp0943
9.ギザギザに切り込みを入れます。

先端が折れやすくなってしまうので、あまり鋭角的な切り込みでないほうが良いと思います。良く切れるハサミなら先端でチョキチョキしてください。(手を切らないようにご注意!

Imgp0944
10.概ね半分に折り目をつけます。

ナデシコとして折る場合は軸がわずかに出るくらいまで折り上げますが、カーネーションにする場合には(花を大きくするよう)扉の上部につくよう(半分に)折ります。

Imgp0945
11.上部の丸くカットした部分を広げます。

Imgp0946
12.伝承のナデシコの完成です。


簡単にできる」ためなら手段を選ばないという方針で突っ走ってきたカーネーションですが、いかがでしたでしょうか。結局ハサミでギザギザを入れたり、糊で貼り付けたりの手間は掛かってしまったかもしれません。(折るというより作る感覚ですね)

何輪も大量に作る場合には、ギザギザカットのためにピンキングばさみを用いると楽だと思います。(プレゼントするお母さんが、たくさんいる人向け?)

洋裁用のピンキングばさみを、お母さんに内緒で勝手に使うと怒られるので、良い子のみなさんは絶対にやめましょう。(ずいぶん昔の話ですが経験済み。)

伝承のナデシコはやさしいので、頑張って4輪作ってもらえれば、今回のカーネーションはお子さんでも決して難しくはないと思います。

母の日めざしてぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

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次回はこのカーネーションを使って、プレゼント用に1輪の花束にアレンジしてみましょう。

折り紙の楽しさを感じていただけたら、ぜひお近くの折り紙教室へ。
折り紙教室の詳細はこちらです。

折り紙講師のご用命も承っております。ご依頼・お問い合わせは、プロフィールページメールフォームをご利用ください。

 

ギャラリー入口
「薔薇と折り紙の日々」イメージギャラリーを、設置しております。

お時間ある方はどうぞお立ち寄りください。 

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2012年4月20日 (金)

カーネーションの花束

母の日(まだ時間がありますが・・・)にプレゼントできるような、カーネーションの花束を作ってみました。

折り紙教室の講師の依頼をいただいた際に、教室スタートは5月くらいからと伺っていたので、「5月はやっぱりカーネーション」と思って準備をすすめて来たものです。

ところが、詳細が決まってみると体験講習が5月29日で、実際の教室スタートは6月5日からとなり、母の日に間に合わなくなってしまいました。

そこで、このカーネーションは来年の春あたりの課題に移動することにいたしました。

でも、せっかく準備したのでこの場でお披露目させていただきます。

鈴木恵美子氏のカーネーション(左)と9セル隣接構造のカーネーション(右)の花束
左奥:鈴木恵美子氏のカーネーションの花束アレンジ
右前:9セル隣接構造のカーメーションの花束アレンジ

最初は鈴木恵美子氏のカーネーションを花束にアレンジしたものです。鈴木恵美子氏のカーネーションの花束アレンジ
鈴木恵美子氏のカーネーションの花束アレンジ

カーネーション4輪と、伝承のゆり(タイプⅠ)を5輪配置しました。

当初はカーネーション5輪の構成を考えていましたが、花のボリュームがありすぎて乗り切らないため4輪としました。

ただ、4輪では数的にどうかなぁということで、隙間もあるし何か追加することにしました。

カーネーションに何か加えるとしたら・・・、まず思いつくのは宿根カスミ草ですが、さすがに折り紙でカスミ草を作ることは難しいので、伝承のゆり(タイプⅠ)を1/4サイズ(7.5cm)で添えることにしました。ゆりというより、ブバリア的なイメージです。

比較的手軽に折ることができるわりには、カーネーション特有のモコモコしたボリューム感がよく表現できていると思います。

続いては、9セル隣接構造のカーメーションの花束アレンジです。

9セル隣接構造のカーメーションの花束アレンジ
9セル隣接構造のカーメーションの花束アレンジ

9セル隣接構造は、色々な作家先生のカーネーションを構造から分類・分析してあみだした、15ccmの普通の折り紙で折れるカーネーションです。

具体的な花束アレンジは、先鈴木恵美子氏のカーネーションを、9セル隣接構造の物に置き換えただけです。

9セル隣接構造のカーメーションの花束
9セル隣接構造のカーメーションの花束アレンジ

いかがでしょうか、折り紙のカーネーションとしてはなかなか実感的な仕上がりになったと思っています。

ただ、9個のセルに1/32のギャザーを寄せてゆく作業は非常に手間が掛かるので、気軽にお勧めできるものではありません。(精神修養がお望みなら別ですが・・・)

4輪も折るのは更に大変で、邪念を捨て、心を無にして、ひたすらヒダを寄せ続ける必要があります。
当初のもくろみの5輪構成だったら、出来あがったころには心身ともに燃え尽きていたかもしれません。(極めて危険です。4輪までにしておきましょう・・・というほどでないか。)

鈴木恵美子氏のカーネーション(左)と9セル隣接構造のカーネーション(右)の花束
鈴木恵美子氏のカーネーション(左)と9セル隣接構造のカーネーション(右)の花束

まあ、プレゼントとしてなにより重要なのは、真心が込もっているかどうかですからね。

もしもあなたが、母と呼ばれる人であったなら、日頃よりのご愛読への感謝を込めて母の日にこの花束を捧げます。(まだ早いですかね)

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次回は、お子さんがお母さんへのプレゼントのために折れるような、比較的簡単なものをご紹介したいと思います。(せっかくなので、折り方の詳細も公開する予定です。)

記事中の各作品の出典を記しておきます。

カーネーション      創作者:鈴木恵美子氏 「暮らしのなかのおりがみ」(パッチワーク通信社)

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2012年4月18日 (水)

カーネーション 構造による分類-(2)

今回は、前回のカーネーションの分類に引き続いて、普通の15cmの折り紙(両面同色や大きなサイズの折り紙を使わない)で、もう少しリアリティの高いカーネーションが実現できないか検討してみます。

さまざまなカーネーション、左奥:市川学氏創作、手前3色:鈴木恵美子氏のアレンジ
さまざまなカーネーション、左奥:市川学氏創作、手前3色:鈴木恵美子氏のアレンジ

前回、折り紙のカーネーションの構造は以下のように分類可能なことを示しました。

1.1セル単独構造
2.複数セル同心配置構造
3.複数セル隣接配置構造
4.複数セル独立配置構造

1枚折りで「両面同色折り紙を使わない」という条件から、3の複数セル隣接配置構造で検討を進めます。この構造でもう少しセル数を増やしてボリュームが出せないか検討してみます。

4セル隣接配置構造のモデル
4セル隣接配置構造のモデル

正方基本形を用いた「4セル隣接」構造は、こんな感じです。

4セル隣接構造のカーネーション
「4セル隣接」構造のカーネーション

前回と少し見え方が違っているのは、セルを円錐状にするために入れるギャザーを、円周の1/16間隔から1/32間隔に狭めたためです。

カーネーションとしては、ボリュームが少し足りずちょっと寂しい気がします。このセル数ならギャザーは円周の1/16間隔のほうがバランスが良かったと思います。

次に、これよりセル数の多い「4セル+α隣接」構造のカーネーションを示します。

「4セル+α隣接」構造のカーネーション
「4セル+α隣接」構造のカーネーション

前回「4セル+α隣接」構造には鈴木恵美子氏のカーネーションがあると述べましたが、上の写真は、鈴木恵美子氏のカーネーションの一部をアレンジしたものです。

具体的には、セルを円錐状にするために入れるギャザーを、円周の1/16間隔から1/32間隔に狭めています。さらに+αで表される半開のセルを、閉じたセルになるよう糊付けして小さなセルを構成しています。したがって厳密には4セルより増えています。

さて、これらをベースにして、4セル以上のカーネーションを実現してみます。

4以上といっても、正方形の紙に隙間なく並べられるのは、4、9、16,25・・・、になりそうです。

とりあえず、3×3=9セルでどうなるか実現してみました。

「9セル隣接」構造のカーネーション
「9セル隣接」構造のカーネーション

「4セル+α隣接」あるいは「4セル隣接」構造と異なり、花の頂点(中央に)セルが1つ配置され、その周りを囲むように8つのセルが配置されます。

このように、「4セル+α隣接」構造に比べてボリューム感を出すことができました。

ただ、4+α 対 9 の数値比でみると倍くらい差がありそうですが、思ったほどでもない感触です。 

これは、+αで表される半開のセルで、小さなセルを構成するようにしているのが効果的だったようで、この工夫でTotal6セルぐらいのボリューム感になっているようです。したがって、6対9で1.5倍のボリュームと考えると概ね合うような気がします。

9セルがうまくいったので、気を良くして「16セル隣接」構造にチャレンジしてみました。

しかし折ってみると・・・、

「16セル隣接」構造のカーネーション
「16セル隣接」構造のカーネーション-1

ボリュームありすぎて、半球に収まりきれなくなりました。一枚折りのくすだまが出来そうな勢いです。(「爆発」と名付けました)

セルのギャザーをあまり入れないようにして、半球にまとめるとこんな様子です。

「16セル隣接」構造のカーネーション
「16セル隣接」構造のカーネーション-2

花びらがギュッとつまっていて、ギャザーもないので別の花ですね。ラナンキュラスとかでしょうか。まぁ、物事には限度があるってことですね。

これらを並べて比較してみると、

複数セル隣接構造を有するカーネーション
複数セル隣接構造を有するカーネーション
手前左から半時計回りに、9セル、4セル+α、16セル、4セルです。

4セル隣接構造のものは、大きさが大きくなるので10cmの折り紙を使用しています。他は15cmです。

4セル+α と 9セル がほぼ同じ大きさなのは、4セル+αは花の裏側まで色が付いているのに対し、 9セル では花の裏側は白くなっています。つまり、4セル+αでの花の裏側の紙が 9セル では花びらに回っていることになります。

16セルは小さくなってしまうので、15cmの折り紙ではギャザーを入れることはちょっと無理です。前の爆発した薄紫色は24cmを使用しています。

こんな風にして普通の15cm折り紙で折れるすこし実感的な、9セル隣接構造のカーネーションが完成しました。

「9セル隣接」構造のカーネーション
「9セル隣接」構造のカーネーション
 

クリックでイメージギャラリーへ
「9セル隣接」構造のカーネーションによる花束

ただし、普通の15cm折り紙で折れるのですが、9つのセルに1/32のギャザーを入れるのはけっこう大変で、ひきつづき良い精神修養が体感できます。

以上、色々なカーネーションを構造に着目して分類し、一部を発展させてみました。

あなたは、どのカーネーションがお気に召しましたか?

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次回は、9セル隣接構造のカーネーションを用いた花束をご紹介します。

記事中の各作品の出典を記しておきます。

カーネーション      創作者:鈴木恵美子氏 「暮らしのなかのおりがみ」(パッチワーク通信社)
カーネーション      創作者:市川学氏「月刊おりがみ第429号」(日本折紙協会)

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2012年4月13日 (金)

カーネーション 構造による分類-(1)

さて、今回はカーネーションです。

花屋のフラワーキーパーの中には一年中ある花ですし、どちらかというと一番手をバラに譲っておとなしくしていますが、5月が近づくと急激に注目度が上がる花です。

クリックでイメージギャラリーへ

バラと同様に、色々な折り紙作家の方々がカーネーションを創作されているので、折りあがった花の構造に着目して分類しながらご紹介させていただきましょう。

鈴木恵美子氏のカーネーションを一部アレンジしたもの
上の写真は鈴木恵美子氏のカーネーションを一部アレンジしたものです。

カーネーションはその花びらのボリューム感が特徴で、実際の生のカーネーションは小さな花がたくさん集まってできているようです。

折り紙でこの小さな花をたくさん集めて表現することは難しいのですが、小さな花状のものをいくつか集めた構造となっている場合が多いようです。

分類するための構造モデルとして、円錐形(ラッパ形・すり鉢状)の小さな花(セルと呼ぶことにしましょう)を考えます。

構造モデル(セル)
構造モデル(セル)のようす

一般に、このセルの数が多くなるほど花びらにボリュームが出て、リアリティが増します。

カーネーションを折り紙で実現する場合、このセルは多角形(例えば八角形に折って)の紙に放射線状に折り目をつけ、ギザギザにたたんで形で実現している作品が多いようです。

1.1セル単独構造

このセル1つの構造で実現されるカーネーションが、薗部光伸氏のカーネーションⅠです。

薗部光伸氏のカーネーションⅠ
薗部光伸氏のカーネーションⅠ

おりがみ―4か国語テキスト にも掲載されているベーシックでシンプルな作品ですが、単純な「1セル構造」でふっくらしたカーネーションを表現しています。

2.複数セル同心配置構造

さらにカーネーションのボリューム感をだすために、もうひとつセルを追加し2つのセルを重ねて配置する構造があります。

2セル同心配置のモデル
2セル同心配置のモデル

この「2セル構造」をとっているのが、薗部光伸氏のカーネーションⅡです。カーネーションⅠに段折り(+沈め折り)することにより、1枚の紙から「2セル構造」を実現しています。

薗部光伸氏のカーネーションⅡ
薗部光伸氏のカーネーションⅡ

また、カーネーションⅠを2枚重ねて「2セル構造」とする手法についても薗部氏が紹介しています。

ずいぶん以前に紹介させていただいた、カーネーションも2枚の紙を使用する「2セル構造」といえます。

複数枚の紙を重ねて、多セル構造を実現する手法は山口真氏のカーネーションにも用いられています。(3枚の紙を用いて3重にかさねた「3セル構造」です。)

3.複数セル隣接配置構造

つぎに、花びらのボリュームを増す方法として、複数のセルを隣り合うように並べて配置する構造があります。この写真は4セルのモデルです。

4セル隣接配置のモデル
4セル隣接配置のモデル

隣接した4つのセルを、1枚の紙で実現するの方法として簡単なのは、正方基本形※の4つの面でそれぞれセルを構成する手法です。
(※鶴を折るときに3角形から4角形に変化させた、あの状態です。)

正方基本形に4つのセルを配置
正方基本形に4つのセルを配置する


この「4セル隣接」構造を用いた作品を小生は知りませんが、とりあえず作ってみるとこんな感じです。

4セル隣接構造のカーネーション?
「4セル隣接」構造のカーネーション

ボリューム感がだいぶ出てきてカーネーションぽく(?)なってきたと思います。

2012/4/18 追記バックナンバーが入手できないので未確認ですが、月刊おりがみ第333号(2003年5月)に掲載の鈴木恵美子氏のカーネーションがこれに近いようです。

入門者向けの簡単なカーネーションならこれで十分かもしれません。

この「4セル隣接」構造をさらに発展させて「4セル+α隣接」構造で構成されるのが、鈴木恵美子氏のカーネーションです。

鈴木恵美子氏のカーネーション
鈴木恵美子氏のカーネーション

4セル+αとは、4つの完全に丸く閉じたセルに、完全に閉じていない半開のセル(+α分)が追加されていることを意味します。

ボリューム感のある立派なカーネーションです。

鈴木恵美子氏のカーネーション
鈴木恵美子氏のカーネーション

この鈴木恵美子氏のカーネーションは、ツイストローズNo.2の創作過程で出来たものだそうです。

ツイストローズNo.2と同様に、折り紙の裏面が出ることがないのが特徴で、普通の折り紙で折れるところがたいへん気に入っています。

先に示した「4セル隣接」構造のカーネーションは、元祖ツイストローズ(No.1)からカーネーションをつくるとどうなるか?と考えて作って見たものです。

4.複数セル独立配置構造

さて、さらに花びらのボリューム感を増す方法として、複数のセルを切り離してバラバラに配置する構造があります。この写真は4セルのモデルです。

4セル独立配置のモデル
4セル独立配置のモデル

3の複数セル隣接配置は、隣接するセルの端が相互にくっついているのに対して、各セルが離れて独立している点が異なります。

これにより、隣接配置で隠れていたセルの外側(裏側)も花びらの表現に利用できるようになります。花びらのボリューム感は、その総表面積でほぼ決定されるので、概ね2倍の効果が期待できます。

この反面、紙の裏側が出てしまうので両面同色折り紙を使用する必要があります。

「4セル+α独立」構造を有するのが市川学氏のカーネーションです。

市川学氏のカーネーション
市川学氏のカーネーション

市川学氏のカーネーション
市川学氏のカーネーション
 

小生が知るカーネーションの折り紙としては、もっとも花びらにボリューム感のあるリアリティの高い一品といえます。

難をいえば、手順が複雑ですし、最後の花びらにヒダをつける工程が非常に大変で、いい精神修養になります。また、両面同色の折り紙が必要ですし、もともと15cmの折り紙では細かくなりすぎるようです。(写真は21cm角です)

以上、色々なカーネーションを構造に着目して分類してみました。

個人的には、両面同色の折り紙を使わなくても実現できて、それでいてボリューム感のあるカーネーションがあったらいいなと思ってます。

そこで次回は、複数セル隣接配置構造で、もう少しセル数を上げる折り方について検討してみます。

あなたは、どれがお気に召しましたか?

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記事中の各作品の出典を記しておきます。

カーネーションⅠ、Ⅱ  創作者:薗部光伸氏 「花のおりがみ 」(日本折紙協会)
カーネーション      創作者:鈴木恵美子氏 「暮らしのなかのおりがみ」(パッチワーク通信社)
カーネーション      創作者:市川学氏「月刊おりがみ第429号」(日本折紙協会)

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2012年4月 6日 (金)

折り紙教室(2012春) 開講なるか?

最新折り紙教室の情報はこちらからどうぞ。

折り紙教室(2012春)の講師の依頼をお受けして、準備を続けてきたのですが、詳細が決まりましたので、報告させていただきます。

教室で取り上げる作品の一部です。

上の写真は講習の見本に作成したもので、左手前から、バラ(川崎敏和)の花束、ゆり(伝承)の花束、カーネーション(鈴木恵美子)の花束、アジサイ(林弘美)のアレンジ、ひまわり(ニルバ・フィーナ・ピラン)のアレンジ、アサガオ(「吹き上げ点取りゲーム」竹川青良)のアレンジ です。

折り紙教室の開催場所は、神奈川県横浜市瀬谷区三ツ境の
三ツ境カルチャーセンター
で、

毎月、第1、第3 火曜日 の AM10:00~12:00 を予定しています。

初回の 5月29日(火)AM10:00~12:00は体験講習となっています。

実は、教室開催には条件がありまして、体験講習後 5名以上の受講申し込みが必要なんです。

言い換えると、5名以上集まらなかったら、(残念なことに)開催中止となってしまいます。
(表題が「開催なるか?」となっているのはこのためです。受講する方5人もいらっしゃいますかねぇ。…ちょっと不安です。)

6月アジサイ、7月あさがお、8月ひまわり・・・てな具合です。

講習内容は、

講座名: 「折り紙」 -花とそのアレンジを中心に-
花の折り紙を中心に、折って楽しむだけでなく、
花束などのアレンジで飾ったり贈ったりできる作品を作ります。

てな感じです。毎月、花のアレンジか、ハロウィン・クリスマス・お正月などの飾れる作品を予定しています。

花の折り紙としては、川崎敏和氏の川崎ローズ、鈴木恵美子氏のカーネーション、林弘美氏のアジサイ・コスモスパンジーなど、まさにオールスター夢の共演です。

このほか「花」以外の折り紙も、「折って楽しむ」折り紙として、伝承作品や笠原邦彦氏の作品も取り上げる予定です。

イメージギャラリー開設中です。クリックでジャンプ

このような教室を開催できるのはすべて、折り紙教室で講習に取り上げることを承認してくださった、折り紙作家の先生方のおかげです。この場をお借りして深く御礼申し上げます。
(あっ!、まだ開催できると決まったわけじゃないんだ…。)

折り紙作家先生や出版社の担当者、ならびにカルチャーセンターのスタッフのご協力を無にしないためにも、ぜひ開催・成功させたいと考えております。

まあそんなわけで、横浜の三ツ境近辺にお住まいで、折り紙に興味のある方をご存知でしたら、本件を宣伝していただけると大変ありがたいです。

5月29日の体験講習は、カルチャーセンターに入会されていない方でも、教材費のみで受講ができるそうです。

なお、本教室に関しての詳細・お申し込みなどは三ツ境カルチャーセンターへお問い合わせください。



さて、あなたはどの作品がお気に召しましたでしょうか?

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折り紙教室の講師の依頼ごさいましたら検討させていただきます。
プロフィールにメールフォームをご用意しておりますのでご連絡ください。

写真の各作品の出典を記しておきます。

バラの花束  創作(原作)者:川崎敏和氏 「折り紙夢WORLD」(朝日出版社)
ゆりの花束  伝承のゆり(タイプⅡ)の紹介: 川崎敏和氏 編・著「博士の折り紙夢BOOK」(朝日出版社
カーネーションの花束 創作(原作)者:鈴木恵美子氏 「暮らしのなかのおりがみ」(パッチワーク通信社)
アジサイのアレンジ 創作(原作)者:林弘美氏 「改訂版 折り紙フラワー」(ブティック社)
ひまわりのアレンジ 創作(原作)者:ニルバ・フィーナ・ピラン氏 「博士の折り紙夢BOOK」(朝日出版社)
アサガオのアレンジ おりがみ傑作選1 (日本折紙協会)掲載の竹川青良氏「吹き上げ点取りゲーム」をアレンジしたもの

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