« 折り紙教室(2012春) 開講なるか? | トップページ | カーネーション 構造による分類-(2) »

2012年4月13日 (金)

カーネーション 構造による分類-(1)

さて、今回はカーネーションです。

花屋のフラワーキーパーの中には一年中ある花ですし、どちらかというと一番手をバラに譲っておとなしくしていますが、5月が近づくと急激に注目度が上がる花です。

クリックでイメージギャラリーへ

バラと同様に、色々な折り紙作家の方々がカーネーションを創作されているので、折りあがった花の構造に着目して分類しながらご紹介させていただきましょう。

鈴木恵美子氏のカーネーションを一部アレンジしたもの
上の写真は鈴木恵美子氏のカーネーションを一部アレンジしたものです。

カーネーションはその花びらのボリューム感が特徴で、実際の生のカーネーションは小さな花がたくさん集まってできているようです。

折り紙でこの小さな花をたくさん集めて表現することは難しいのですが、小さな花状のものをいくつか集めた構造となっている場合が多いようです。

分類するための構造モデルとして、円錐形(ラッパ形・すり鉢状)の小さな花(セルと呼ぶことにしましょう)を考えます。

構造モデル(セル)
構造モデル(セル)のようす

一般に、このセルの数が多くなるほど花びらにボリュームが出て、リアリティが増します。

カーネーションを折り紙で実現する場合、このセルは多角形(例えば八角形に折って)の紙に放射線状に折り目をつけ、ギザギザにたたんで形で実現している作品が多いようです。

1.1セル単独構造

このセル1つの構造で実現されるカーネーションが、薗部光伸氏のカーネーションⅠです。

薗部光伸氏のカーネーションⅠ
薗部光伸氏のカーネーションⅠ

おりがみ―4か国語テキスト にも掲載されているベーシックでシンプルな作品ですが、単純な「1セル構造」でふっくらしたカーネーションを表現しています。

2.複数セル同心配置構造

さらにカーネーションのボリューム感をだすために、もうひとつセルを追加し2つのセルを重ねて配置する構造があります。

2セル同心配置のモデル
2セル同心配置のモデル

この「2セル構造」をとっているのが、薗部光伸氏のカーネーションⅡです。カーネーションⅠに段折り(+沈め折り)することにより、1枚の紙から「2セル構造」を実現しています。

薗部光伸氏のカーネーションⅡ
薗部光伸氏のカーネーションⅡ

また、カーネーションⅠを2枚重ねて「2セル構造」とする手法についても薗部氏が紹介しています。

ずいぶん以前に紹介させていただいた、カーネーションも2枚の紙を使用する「2セル構造」といえます。

複数枚の紙を重ねて、多セル構造を実現する手法は山口真氏のカーネーションにも用いられています。(3枚の紙を用いて3重にかさねた「3セル構造」です。)

3.複数セル隣接配置構造

つぎに、花びらのボリュームを増す方法として、複数のセルを隣り合うように並べて配置する構造があります。この写真は4セルのモデルです。

4セル隣接配置のモデル
4セル隣接配置のモデル

隣接した4つのセルを、1枚の紙で実現するの方法として簡単なのは、正方基本形※の4つの面でそれぞれセルを構成する手法です。
(※鶴を折るときに3角形から4角形に変化させた、あの状態です。)

正方基本形に4つのセルを配置
正方基本形に4つのセルを配置する


この「4セル隣接」構造を用いた作品を小生は知りませんが、とりあえず作ってみるとこんな感じです。

4セル隣接構造のカーネーション?
「4セル隣接」構造のカーネーション

ボリューム感がだいぶ出てきてカーネーションぽく(?)なってきたと思います。

2012/4/18 追記バックナンバーが入手できないので未確認ですが、月刊おりがみ第333号(2003年5月)に掲載の鈴木恵美子氏のカーネーションがこれに近いようです。

入門者向けの簡単なカーネーションならこれで十分かもしれません。

この「4セル隣接」構造をさらに発展させて「4セル+α隣接」構造で構成されるのが、鈴木恵美子氏のカーネーションです。

鈴木恵美子氏のカーネーション
鈴木恵美子氏のカーネーション

4セル+αとは、4つの完全に丸く閉じたセルに、完全に閉じていない半開のセル(+α分)が追加されていることを意味します。

ボリューム感のある立派なカーネーションです。

鈴木恵美子氏のカーネーション
鈴木恵美子氏のカーネーション

この鈴木恵美子氏のカーネーションは、ツイストローズNo.2の創作過程で出来たものだそうです。

ツイストローズNo.2と同様に、折り紙の裏面が出ることがないのが特徴で、普通の折り紙で折れるところがたいへん気に入っています。

先に示した「4セル隣接」構造のカーネーションは、元祖ツイストローズ(No.1)からカーネーションをつくるとどうなるか?と考えて作って見たものです。

4.複数セル独立配置構造

さて、さらに花びらのボリューム感を増す方法として、複数のセルを切り離してバラバラに配置する構造があります。この写真は4セルのモデルです。

4セル独立配置のモデル
4セル独立配置のモデル

3の複数セル隣接配置は、隣接するセルの端が相互にくっついているのに対して、各セルが離れて独立している点が異なります。

これにより、隣接配置で隠れていたセルの外側(裏側)も花びらの表現に利用できるようになります。花びらのボリューム感は、その総表面積でほぼ決定されるので、概ね2倍の効果が期待できます。

この反面、紙の裏側が出てしまうので両面同色折り紙を使用する必要があります。

「4セル+α独立」構造を有するのが市川学氏のカーネーションです。

市川学氏のカーネーション
市川学氏のカーネーション

市川学氏のカーネーション
市川学氏のカーネーション
 

小生が知るカーネーションの折り紙としては、もっとも花びらにボリューム感のあるリアリティの高い一品といえます。

難をいえば、手順が複雑ですし、最後の花びらにヒダをつける工程が非常に大変で、いい精神修養になります。また、両面同色の折り紙が必要ですし、もともと15cmの折り紙では細かくなりすぎるようです。(写真は21cm角です)

以上、色々なカーネーションを構造に着目して分類してみました。

個人的には、両面同色の折り紙を使わなくても実現できて、それでいてボリューム感のあるカーネーションがあったらいいなと思ってます。

そこで次回は、複数セル隣接配置構造で、もう少しセル数を上げる折り方について検討してみます。

あなたは、どれがお気に召しましたか?

そんな作品があったら、ぜひ投票ボタンをポチっとおねがいします。

blogram投票ボタン

 

記事中の各作品の出典を記しておきます。

カーネーションⅠ、Ⅱ  創作者:薗部光伸氏 「花のおりがみ 」(日本折紙協会)
カーネーション      創作者:鈴木恵美子氏 「暮らしのなかのおりがみ」(パッチワーク通信社)
カーネーション      創作者:市川学氏「月刊おりがみ第429号」(日本折紙協会)

|

« 折り紙教室(2012春) 開講なるか? | トップページ | カーネーション 構造による分類-(2) »

カーネーション」カテゴリの記事

折り紙」カテゴリの記事

コメント

初めまして
あしあとからお邪魔しました

折り紙大好きです
千羽鶴折形で連鶴にゆっくり挑戦中です

バラやカーネーションも折ってみたいと思っています
お気に入りにさせて頂きました
よろしくお願いします

投稿: はなひめ | 2012年4月14日 (土) 03時14分

>> はなひめ さん、

コメントありがとうございます。
連鶴は、奥が深いですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
また、遊びにいらしてください。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月14日 (土) 05時33分

ウ~ム。カーネーションもいろいろできるんだ。感心しました。

投稿: 鷲谷芝嵐 | 2012年4月14日 (土) 06時21分

>> 鷲谷芝嵐 さん、

いつもコメントありがとうございます。
折り紙の世界もどんどん進化しています。
ただ、複雑になりすぎるのもどうかなぁと思っています。
あまりに難しい作品は、手に馴染んで折り伝えられる作品にはなり得ないですからね。
今後ともよろしくです。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月14日 (土) 06時41分

☆ご訪問ありがとうございました。
。。正方基本形の。。いいなぁって
想いました。どの形も 好きですよ。

投稿: Ren | 2012年4月14日 (土) 09時30分

花束~~ 可愛いです☆
テーブルの上にポンって置いたら可愛い飾り物になりますね!

手先を使うのは仕事柄嫌いではないんですが・・
上手に折れる自身がないです(・・;)

投稿: 頓珍漢3号 | 2012年4月14日 (土) 18時43分

>> Ren さん

コメントありがとうございます。
お気に召していただければ何よりです。
また、遊びにいらしてください。

>> 頓珍漢3号 さん

コメントありがとうございます。
誰でも最初から上手く折れる人はいないと思います。
小生自信も、地道に練習を繰り返して現在に至っています。
一番重要なのは、この作品に取り組もうと思う意欲なのではないかと思います。
頓珍漢3号さんも、興味があればぜひトライしてみてください。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月14日 (土) 19時38分

はじめまして、あし@から訪問させていただきました。

折り紙というと幼少のころで感覚が止まっているので
こんなことできるんだ!と素直に関心しました。

う~ん、スゴイ

投稿: サカエ3w | 2012年4月14日 (土) 21時24分

>> サカエ3w さん

コメントありがとうございます。
最近、折り紙を「子供の遊び」にしておくのはもったいないと感じています。
今後も面白い作品をUpしてゆきますので、また遊びにいらしてください。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月14日 (土) 21時34分

すっごく 素敵!

また見にお邪魔させて下さい!

投稿: ドレミ | 2012年4月15日 (日) 10時05分

>> ドレミ さん、

コメントありがとうございます。
ぜひ、また遊びにいらしてください。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月15日 (日) 10時50分

折り紙でこんなに素敵な花が作れるんですね
目からウロコ、驚きです
折り紙に対する考え方が変わっちゃいました
また遊びにきますね

投稿: セタママ | 2012年4月15日 (日) 17時39分

>> セタママ さん、

コメントありがとうございます。
小生が子供時代に遊んだ折り紙に比べて、色々進化してますね。
今後も、美しい面白い(?)折り紙を紹介させていただきます。
また、遊びにいらしてください。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月15日 (日) 18時01分

はじめまして
こちらのブログには度々お邪魔させてもらってます

私も折り紙が好きなんですよ

花束
かわいいですよね

折り紙って
作りあがった時の満足感がたまらなくいいですよねぇ~

また来ますね

投稿: フェイクAKE | 2012年4月15日 (日) 21時16分

>> フェイクAKE さん、

ご訪問・コメントありがとうございます。
折り紙好きの輪が広がると嬉しいです。
あまり大きくないけど、達成感の連続です。
今後も、作った後も眺めて楽しめる作品をUpしたいと思います。
また、遊びにいらしてください。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月15日 (日) 21時31分

凄いです。

Hime家の姫は、折り紙先生になりたいと言っていました。

綺麗ですね。

※話が変わりますが、
建築模型士さんですか?
模型を作っているんですか?

投稿: Hime | 2012年4月17日 (火) 09時58分

>> Hime さん、

コメントありがとうございます。
姫さまが、16歳になりましたら日本折紙協会の折紙講師の資格が取れるようになりますので、それまで修行してお待ちいただくのはいかがでしょうか。
16歳未満でしたら級が取れますので、チャレンジしてみてはいかがでしょうか?1級を取ると「子供折り紙博士」の称号が与えられます。

建築模型士プライマリーという資格はいただきましたが、通信教育を受講しただけです。
たまに建築模型も作ってましたが、今は折り紙のほうが忙しいです。

また、遊びにいらしてください。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月17日 (火) 15時30分

素敵なお花たちをを拝見~感動です。折り紙は好きですよ。
仕事上小さな子が相手でしたからいとも簡単で見映えのいいものを~^そんな感じでしたから少しは難しい物にも挑戦してみたいですね。
此方の「折紙教室」にも応援にいらして下さいな(^^)

投稿: なな | 2012年4月26日 (木) 23時20分

>> なな さん、
コメントありがとうございます。
機会がありましたら、折りごたえのある作品にもぜひチャレンジしてみてください。
折り紙の楽しさを多くの方に知っていただくような活動であれば、可能な範囲でお手伝いしますよ。声をかけてください。
また、遊びにいらしてください。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月26日 (木) 23時38分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1258064/44782111

この記事へのトラックバック一覧です: カーネーション 構造による分類-(1):

« 折り紙教室(2012春) 開講なるか? | トップページ | カーネーション 構造による分類-(2) »