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2012年4月18日 (水)

カーネーション 構造による分類-(2)

今回は、前回のカーネーションの分類に引き続いて、普通の15cmの折り紙(両面同色や大きなサイズの折り紙を使わない)で、もう少しリアリティの高いカーネーションが実現できないか検討してみます。

さまざまなカーネーション、左奥:市川学氏創作、手前3色:鈴木恵美子氏のアレンジ
さまざまなカーネーション、左奥:市川学氏創作、手前3色:鈴木恵美子氏のアレンジ

前回、折り紙のカーネーションの構造は以下のように分類可能なことを示しました。

1.1セル単独構造
2.複数セル同心配置構造
3.複数セル隣接配置構造
4.複数セル独立配置構造

1枚折りで「両面同色折り紙を使わない」という条件から、3の複数セル隣接配置構造で検討を進めます。この構造でもう少しセル数を増やしてボリュームが出せないか検討してみます。

4セル隣接配置構造のモデル
4セル隣接配置構造のモデル

正方基本形を用いた「4セル隣接」構造は、こんな感じです。

4セル隣接構造のカーネーション
「4セル隣接」構造のカーネーション

前回と少し見え方が違っているのは、セルを円錐状にするために入れるギャザーを、円周の1/16間隔から1/32間隔に狭めたためです。

カーネーションとしては、ボリュームが少し足りずちょっと寂しい気がします。このセル数ならギャザーは円周の1/16間隔のほうがバランスが良かったと思います。

次に、これよりセル数の多い「4セル+α隣接」構造のカーネーションを示します。

「4セル+α隣接」構造のカーネーション
「4セル+α隣接」構造のカーネーション

前回「4セル+α隣接」構造には鈴木恵美子氏のカーネーションがあると述べましたが、上の写真は、鈴木恵美子氏のカーネーションの一部をアレンジしたものです。

具体的には、セルを円錐状にするために入れるギャザーを、円周の1/16間隔から1/32間隔に狭めています。さらに+αで表される半開のセルを、閉じたセルになるよう糊付けして小さなセルを構成しています。したがって厳密には4セルより増えています。

さて、これらをベースにして、4セル以上のカーネーションを実現してみます。

4以上といっても、正方形の紙に隙間なく並べられるのは、4、9、16,25・・・、になりそうです。

とりあえず、3×3=9セルでどうなるか実現してみました。

「9セル隣接」構造のカーネーション
「9セル隣接」構造のカーネーション

「4セル+α隣接」あるいは「4セル隣接」構造と異なり、花の頂点(中央に)セルが1つ配置され、その周りを囲むように8つのセルが配置されます。

このように、「4セル+α隣接」構造に比べてボリューム感を出すことができました。

ただ、4+α 対 9 の数値比でみると倍くらい差がありそうですが、思ったほどでもない感触です。 

これは、+αで表される半開のセルで、小さなセルを構成するようにしているのが効果的だったようで、この工夫でTotal6セルぐらいのボリューム感になっているようです。したがって、6対9で1.5倍のボリュームと考えると概ね合うような気がします。

9セルがうまくいったので、気を良くして「16セル隣接」構造にチャレンジしてみました。

しかし折ってみると・・・、

「16セル隣接」構造のカーネーション
「16セル隣接」構造のカーネーション-1

ボリュームありすぎて、半球に収まりきれなくなりました。一枚折りのくすだまが出来そうな勢いです。(「爆発」と名付けました)

セルのギャザーをあまり入れないようにして、半球にまとめるとこんな様子です。

「16セル隣接」構造のカーネーション
「16セル隣接」構造のカーネーション-2

花びらがギュッとつまっていて、ギャザーもないので別の花ですね。ラナンキュラスとかでしょうか。まぁ、物事には限度があるってことですね。

これらを並べて比較してみると、

複数セル隣接構造を有するカーネーション
複数セル隣接構造を有するカーネーション
手前左から半時計回りに、9セル、4セル+α、16セル、4セルです。

4セル隣接構造のものは、大きさが大きくなるので10cmの折り紙を使用しています。他は15cmです。

4セル+α と 9セル がほぼ同じ大きさなのは、4セル+αは花の裏側まで色が付いているのに対し、 9セル では花の裏側は白くなっています。つまり、4セル+αでの花の裏側の紙が 9セル では花びらに回っていることになります。

16セルは小さくなってしまうので、15cmの折り紙ではギャザーを入れることはちょっと無理です。前の爆発した薄紫色は24cmを使用しています。

こんな風にして普通の15cm折り紙で折れるすこし実感的な、9セル隣接構造のカーネーションが完成しました。

「9セル隣接」構造のカーネーション
「9セル隣接」構造のカーネーション
 

クリックでイメージギャラリーへ
「9セル隣接」構造のカーネーションによる花束

ただし、普通の15cm折り紙で折れるのですが、9つのセルに1/32のギャザーを入れるのはけっこう大変で、ひきつづき良い精神修養が体感できます。

以上、色々なカーネーションを構造に着目して分類し、一部を発展させてみました。

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次回は、9セル隣接構造のカーネーションを用いた花束をご紹介します。

記事中の各作品の出典を記しておきます。

カーネーション      創作者:鈴木恵美子氏 「暮らしのなかのおりがみ」(パッチワーク通信社)
カーネーション      創作者:市川学氏「月刊おりがみ第429号」(日本折紙協会)

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コメント

はじめまして。
以前からブログは見せて頂いてましたがコメントはじめてさせていただきます。
私も折り紙子供のころから大好きで、自分が親になって子供とも折り紙でよく遊んでます。一枚の紙から色々な形が作れて子供にもとても楽しいようです。
でも昔からユリをつくってもカールが固定できないのよ~~とかおもっていたのも先日見せていただいた記事でなるほど==☆大人になってから立体のバラで感動してたのも色々な形があることがわかってなるほど~~と毎度感動しておりました!そして今回のカーネーションも!これも一枚の紙で出来てしまうなんてすごいですね!!私としては16セルー2のひだのないカーネーションが一番カーネーションらしい花びらのつき方、花姿に見えました(^^)すごいです!!
お近くだったらお教室にも通いたいくらい。。。。
こういう素晴らしい折り紙文化、日本に来た外国人の人たちに体験できる場をつくってあげられたらいいのに~~なんて思いました(^^)

投稿: Yumi | 2012年4月19日 (木) 06時42分

>> Yumi さん、

丁寧なコメントたいへんありがとうございます。
こんなにきちんと(?)見てくださる方がいらっしゃるとは思っても見ませんでした。(他の方に失礼かな?)とても励みになります。
16セルまで増やすと、15cm折り紙では花が小さくなってしまうのがちょっと難点です。
折り紙の楽しさを、もっと多くの方々と共有できたらいいなと考えております。
Yumi さんのような方がたくさん教室に来ていただけたら助かるんですが・・・
今後もご意見やご感想を気軽にコメントいただけたら嬉しいです。
また、遊びにいらしてください。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月19日 (木) 07時54分

素敵な技術をお持ちですね
うらやましいです

投稿: | 2012年4月19日 (木) 08時45分

コメントありがとうございます。
好きなことを楽しくやらせて頂いてます。
はたして、芸は身を助けるのか、滅ぼすのか・・・。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月19日 (木) 09時02分

生花では無い色のカーネーションも作れるなぁ~って!
母の日に!母の好きな色で作ってあげたくなりました!
頑張ってみよう~!

投稿: 頓珍漢3号 | 2012年4月19日 (木) 16時50分

>> 頓珍漢3号 さん、
コメントありがとうございます。
今は遺伝子組み換えで青いカーネーションが出来るようになりました。昔は色水を吸わせたりして色をつけていました。
そうですね、折り紙なら好きな色を選んで折るだけですから簡単です。
母の日に向けて頑張ってみてください。

投稿: なか(管理人) | 2012年4月19日 (木) 17時07分

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