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2012年5月

2012年5月26日 (土)

佐藤直幹氏の5角形のバラ(Naomiki Sato Rose)-2

このバラの原作者の佐藤直幹氏からもコメントいただき、ビックリしています。
ハードルが上がってドギマギしてますが…。
お待たせするほどの内容でもないので、予定より公開を早めました。
続きをどうぞ。

前回は、Naomiki Sato Rose を折る際に問題となる誤差の発生原因について考えてきました。

それでは引き続き少しでも上手く(安定して)折るための具体的手法を検討してみましょう。

さまざまな精度誤差、折り誤差の中で特に問題となるのは、内周花弁形成時に累積した誤差が、このバラの表情を左右する外周花弁の形成に大きく影響を与えてしまうことです。

誤解を恐れずに端的に問題点を表現してしまうと、「このバラの外周花弁は単独で定義されておらず、内周花弁を作った残りとして定義されている」ということです。
このため内周花弁の誤差がそっくりそのまま外周花弁に引き継がれてしまうことになります。
さらに外周花弁は紙の端面の最終工程ですから、次の工程に誤差を受け流すこともできず、累積した誤差を少ないリソースの身ですべて受け入れなければなりません。
(虐げられた外周花弁が不憫です(涙))

そこで、「内周花弁形成時に発生する誤差を、外周花弁の形成段階に持ち込まないようにする」ためには、外周花弁を内周花弁とは別に単独で(あるいは単純な形態で)定義できれば良いと思われます。

Naomiki Sato Rose-1
Naomiki Sato Rose-1

例えば折る順序を入れ換えて、先に外周花弁を形成しその後内周花弁が形成できれば「ねじり折りの立体化」や「2重中割り折り」で誤差や歪が発生しても内周花弁のみの問題となり、外周花弁への影響はなくなります。(外堀を埋めてしまうということですね)

しかしながら、そう簡単に折る順序を入れ換えることはできそうもありません。

そこで、誤差や歪の発生する一番の要因である「ねじり折りおよびその立体化」ならびに「2重中割り折り」を排除したシンプルな「仮の内周花弁」を作成し、この状態で先に外周花弁の形成まで折り進め、この後に正式な内周花弁を形成する手法を検討してみました。

折る順序を入れ換える代わりに、誤差の発生しやすい難しい箇所をバイパスして、先に外周花弁を作っちゃおう!という作戦です。

花弁増しの技法として用いられる「2重中割り折り」は、後から加えられたものですので排除することは容易です。

ねじり折りを排除することは、前にツイスト系川崎ローズで示した通りNaomiki Sato Roseでも可能です。詳細は後で具体的に説明します。

ねじり折りを排除したNaomiki Sato Rose
ねじり折りを排除したNaomiki Sato Rose

Naomiki Sato Roseからねじり折を排除すると、5角柱に内周花弁が巻きついた形状となります。これがねじり折りと花弁増しを排除した仮の内周花弁です。

ねじり折りを排除したNaomiki Sato Rose
ねじり折りを排除したNaomiki Sato Rose

捻じれや歪のない単純な構造ですので、折り誤差を最小限にすることが可能と思われます。ここでの誤差発生の要因は紙の厚み(+人的要因?)程度でしょう。

このような仮の内周花弁を形成した上で外周花弁を形成します。

実際には完全に形成する必要はなく、外周を上に折り上げるあたりまでで良いと思いますが、Naomiki Sato Roseの練習として、一度は最後まで折ってみると良いでしょう。

この「ねじり折りおよびその立体化」ならびに「2重中割り折り」を排除した状態で、外周花弁がきちんとバランスよく形成されないようであれば、内周花弁形成以外の部分で発生した誤差による問題と考えられますから、もう一度精度に気をつけて丁寧に折りなおしたほうがよいでしょう。(5角形に切りだす精度も含めて)

この後、内周花弁のねじり折り、立体化、2重中割り折りを行い、仮の内周花弁で付けた折り目に従い外周花弁をもう一度形成してやれば、内周花弁形成時に発生する誤差を、外周花弁の形成段階に持ち込むことを防ぐことができます。

いっぺんに「ねじり折り」、「2重中割り折り」両者を入れる前に、「ねじり折り」単体の基本形から試してみるとよいと思います。



それでは以下に、ねじり折りの無い仮の内周花弁の作り方の詳細を説明します。

ここではNaomiki Sato Roseに限定せず、一般のねじり折りを用いたバラからねじり折を排除する手法として説明します。(川崎ローズにも適用可能です)

まず、ねじり折りを行う内周花弁の尾根ラインに着目し、これを中心に向けて少し延長します。具体的には、既に付けられている内周花弁の尾根を表からつまんで山折りし、折り目を中心方向に伸ばします。

内周花弁の尾根ライン(青)を中心に延長する
内周花弁の尾根ライン(青)を中心に延長する

写真は用紙の裏面で、内周花弁の尾根ラインは谷折り(青)になっています。この際に中央にできる5角形(用紙が正方形の場合は4角形)が、真ん中の5角柱の上部の平らなところになります。

2つの尾根ラインのなす角度を2分するよう山折り(赤)する
2つの尾根ラインのなす角度を2分するよう山折り(赤)する

隣接する2つの尾根ラインの交点(中央の5角形の頂点)から、2つの尾根ラインのなす角度を2分するように山折り(赤)で折り目をつけます。

2つの尾根ラインが同じ高さに重なるよう折り目をつける
2つの尾根ラインが同じ高さに重なるよう折り目をつける

具体的には、用紙の表から隣接する2つの尾根ラインが、同じ高さに重なるように合わせて折り目(表からは谷折り)をつけます。

ねじり折りを排除した内周花弁
ねじり折りを排除した内周花弁

5本の折り目をしっかりつけて、真ん中の5角形を中心に巻くように整えれば、ねじり折りを排除した内周花弁が完成します。

以上が一般のねじり折りを用いたバラからねじり折を排除する方法です。



Naomiki Sato Roseではこの仮の内周花弁形成後、外周花弁形成のため外周を上に折り上げ、しっかり折り目をつけておきます。

5角柱の周りに花びらを巻きつけた構造になりますから、ひっくり返した穴の大きさも上面の5角形と同じ大きさになります。Naomiki Sato Roseは半開構造で裏に穴が開いていますが、この穴は本来この大きさになることが理想的と考えられます。

実際には紙の厚みの影響やさまざまな誤差によって、なかなかこれほど小さくするのは難しいようです。それでも、理想的な形状を知っておくことは極めて重要だと思います。

Naomiki Sato Rose-2
Naomiki Sato Rose-2

上手く折るための練習のステップをまとめてみると、

1.仮の内周花弁を用いて、外周花弁を最後まで形成してみる。
    →バランスよくできていなければ、精度に注意して最初から丁寧に折りなおす。

2.仮の内周花弁で外周花弁の定義を行い、この後内周花弁にねじり折りを加える。
    →問題があれば、ねじり折りを練習しましょう。

3.仮の内周花弁で外周花弁の定義を行い、この後内周花弁にねじり折り+2重中割り折りを加える。
    →上手くできなければ、2重中割り折り+ねじり折りをもう少し練習しましょう。

このような折り方と練習方法で、「ねじり折り」、「2重中割り折り」などの特殊な折り方に不慣れな方でも安定して折り上げることができるようになると思います。

もちろん、うまくできない箇所は上手くないままですが、誤差が伝播しにくく、伝播したエラーによって全部ダメになってしまうことはないので、折り手のモチベーションを下げずに楽しく折れると思います。
(1回や2回ならまだしも、あんまりうまく折れないと誰だって凹みますからね。)

問題点の発見・切り分けもしやすいので、少ない反復回数で上達できると思います。

佐藤直幹氏から頂いたコメントには、
「誤差でも均等にすることで、折り手の「個性」になるのかなと思っております。」
とあります。

まったくその通りだと思います。うまく誤差や歪を与えて望みのフォルムにするのも折る楽しみといえるでしょう。

ただし、折り始めた最初のうちは、折るたびに背が高くなったり低くなったり、曲がったり、原因不明で上手くできてしまったり(笑)するものです。今回は、これらの不安定な原因(誤差)を取り除いて、本来のあるべき姿に安定して折れるようになることが目的です。

十分に安定して折れるようになった次の段階で、自分のイメージに合う形状にシェイプすべきなのではないでしょうか。

今回参照したNaomiki Sato Rose の折り方は、佐藤氏のサイトトGalerie de plis (折り目のギャラリー)の、基本形rose pentagonale(五角形のバラ) と、この基本形に花弁増しを入れたrose avec pli inverse...(逆折のバラ?) として公開されています。(フランス語ですが折り方の手順は何とかなります)

わかりにくい箇所は、ako さんKUPO さん のサイトにも詳しい解説がありますので参考にされると良いと思います。ただし原作者:佐藤直幹氏の意図を正確に把握するためにも上記のフランス語サイトは必ず一度は目を通して、原作者の表現を確認しておくことをお勧めします。

川崎ローズが折れるようになって、新しいバラの折り紙を探している方はぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

また、Naomiki Sato Roseにチャレンジしてみたはいいが、うまくできなくて凹んでいる方の参考になればとも思います。

おまけ

Naomiki Sato Roseから、ねじり折りを排除すると5角柱に花弁が巻きついた構造になりますが、この5角柱の上面の5角形を、風船の基本形の要領でつまんで先端を尖らせ、ねじってやると・・・、

ツイスト系 Naomiki Sato Rose
Naomiki Sato Rose にもツイスト系の魔の手が・・・

ツイスト系の花芯を形成することができます。

標準のNaomiki Sato Roseに飽きたり、ねじり折りがどうしても苦手という方は(気分転換に)試してみてはいかがでしょうか。

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本家の川崎ローズ「薔薇」(ちょっとむずかしいほう)も5角形で折ってみました。
こちら  

Naomiki Sato Rose の別バージョン、逆中割り折りスタイルも折ってみました。
記事はこちらです。

佐藤直幹氏の書籍「バラの折り紙」の紹介はこちらです。

佐藤直幹氏の「-1枚の紙から折るー バラの折り紙」はこちらから購入できます。

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2012年5月25日 (金)

佐藤直幹氏の5角形のバラ(Naomiki Sato Rose)-1

月刊おりがみ第442号(2012年6月)の読者の広場に、佐藤直幹氏の5角形のバラ(Naomiki Sato Rose)が紹介されました。

佐藤直幹氏はフランス在住のポップアップアーティストとして活躍されている方で、フランス折紙協会の副会長もされているそうです。日本では川崎亜子氏がこのバラの普及に尽力しておられるようですね。

以前、紙ふうせん紹介記事を読んだりして、最近話題になっていることは知っていたのですが、なかなか機会がなくて取り組むことができませんでした。

月刊おりがみの記事が目に入ったのでこれをきっかけに折ってみることにしました。

Naomiki Sato Rose

Naomiki Sato Rose には種類やバリエーションがあるようですが、今回は佐藤氏のフランス語サイトGalerie de plis (折り目のギャラリー)からrose pentagonale(五角形のバラ) の基本形にrose avec pli inverse...(逆折のバラ?) 記載の花弁増しを取り入れたものを折ってみました。

正5角形の両面同色の用紙が必要ですので、A4サイズのカラーコピー用紙から切り出しました。

5角形の用紙から折りだされる5枚の外周花弁が特徴的で、内周花弁がぎっしり詰まったボリューム感のある、大変美しいバラが完成いたしました。

従来の滑らかな曲線的な花びらを有するバラとは趣の異なる、直線的でシャープなイメージです。これがフランスの esprit ってやつでしょうか。(横から見ると若干サザエ的にも見えますが・・・これは小生の表現力不足でしょうね)

Naomiki Sato Rose

A4サイズの紙(21cm)から切り出した紙では、完成したバラの直径は5cmとかなり小さくなってしまいます。内周花弁がぎっしり、ぎゅっと詰まったと表現したように、折り紙にしてはずっしり重い感じです。

もちろん5角形から折る点が異なっていますが、ねじり折りやこれを立体化した構造、花弁増し(2重中割折り)の技法などは川崎ローズがベースになっているようです。

川崎ローズと異なるアプローチをとっているのは、内周花弁の尾根ラインを中心から用紙の頂点方向(4角形なら対角線上)に取っている点です。

これにより内周花弁を最も長くすることができ、その結果内周花弁がぎっしり、ぎゅっと詰まった構造を実現しています。

このように折り紙リソースを内周花弁に集中させているため、外周花弁はシンプルで裏蓋の閉じない半開構造となっています。

折ってゆく手順や工程が、長大であったり複雑であることは全くないのですが、このバラの表情を決める外周花弁をバランスよく形成するのが非常に難しかったです。難しいとの噂は聞いていましたが、まともな形になるまでずいぶん苦労しました。

川崎ローズを十分に折りこなして、ねじり折りやこの立体化ならびに花弁増し(2重中割折り)技法などを完全に身につけた方であっても、気楽に勧めることはできない気がします。

Naomiki Sato Rose

そこでまず、どうして難しいのか分析してみることにしましょう。その上でこの分析結果を用いて少しでも上手く折るための手法を検討してみたいと思います。

難しい(上手にできない)根本的な理由は、折り進める過程で発生する誤差により、最終的に形状が歪んだり、バランスが崩れてしまうことだと思われます。

折り紙をひとつのシステムとして捉えると、システム要素である「折る工程」で生ずる誤差が出力(完成作品)に大きく影響を与えやすい、センシティヴなシステムといえそうです。

この折り進める際に生ずる誤差(折り誤差)の発生の原因を挙げてみると…

1.5角形の用紙を用いる点
  5角形切り出しに伴って、どうしても切り出し精度により誤差が発生します。
  最初から精度のよい正方形の折り紙をそのまま使うより、はるかに不利です。

2.折り目の基準点の精度
  明確な基準線(点)どうしを合わせて折り目を定めるのではなく、「1/3」、「平行に」といった箇所があります。目安で折ってゆかざるおえませんので、なかなか精度を出すのが難しいです。

3.外周花弁が内周花弁の影響を大きく受ける
  このバラは、折り紙リソースが内周花弁に大きく割り当てており、外周花弁には必要最小限しか割り当てられていません。折る順序としては、内周花弁のねじり折りの立体化→外周花弁の形成の工程となりますが、内周花弁形成時に累積した誤差が、リソースの少ない外周花弁の形成を大きく左右してしまうようです。
同じ誤差であっても分母が小さいと大きな割合になってしまうということです。

上記1,2は時間をかけて丁寧に作業することで解決できそうですが、3の折り誤差が伝播蓄積してゆく問題が残ります。特に外周花弁はこのバラの表情を左右する箇所ですので、何とかしたいです。

もちろん練習を重ねて丁寧に折るのは当然なのですが、人間の作業ですから誤差はつきものですし、初心者には難しいでしょう。熟練者に成長するまでに、イヤになってしまうかもしれません。(小生も、何度も投げ出したくなりました。)

特に内周花弁形成に用いられる、「ねじり折りの立体化」はねじり構造を持つ複雑な折り方ですし、花弁増し技法に用いられる「2重中割り折り」は本質的に歪を与える折り方ですので誤差の発生を回避するのは難しいと思われます。

川崎ローズでは、あらかじめ用紙にグリッドを折り込んでおくなどの手法が折り誤差の累積防止に貢献していると考えられます。さらに最後の裏蓋にも外周花弁の角度配置を安定に形成させる効果がありそうです。

Naomiki Sato Rose

なんだかNaomiki Sato Roseに批判的な表現が多くなってしまいましたが、美しい造形の折り紙ですし佐藤氏の「いろんな人に折ってもらいたい」とのお気持ちを尊重する意味でも、誰でも上手に折れる折り方があればいいなぁと思っています。

さて次回は、少しでも上手く折るための手法として、内周花弁形成時に発生する誤差を、外周花弁の形成段階に持ち込まないようにする方法について具体的に記したいと思います。

Naomiki Sato Rose の折り方は佐藤氏のサイトトGalerie de plis (折り目のギャラリー)に、基本形rose pentagonale(五角形のバラ) と、この基本形に花弁増しを入れるrose avec pli inverse...(逆折のバラ?) として公開されています。(フランス語ですが何とかなりますョ)

川崎ローズが十分折れるようになった方は、腕試しと思ってぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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精度の高い5角形の切り出し方こちらの記事です。

Naomiki Sato Rose の別バージョン、逆中割り折りスタイルも折ってみました。
記事はこちらです。

佐藤直幹氏の書籍「バラの折り紙」の紹介はこちらです。

佐藤直幹氏の「-1枚の紙から折るー バラの折り紙」はこちらから購入できます。

 

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2012年5月18日 (金)

バラのつぼみ(ツイスト系川崎ローズ?)

母の日をターゲットとしたカーネーション祭り(?)はいかがでしたでしょうか?
みなさん上手に作って、お母様にプレゼントできましたか?

検索サイト経由でたくさん(いつもの5倍以上)の方にお越しいただきました。この場を借りて御礼申し上げます。m(_ _)m (これで少しでも読者層が広がると良いのですが…)

ここのところ、ゆりやカーネーションの記事が続きましたが、「薔薇と折り紙の日々」というブログなので、たまにはバラの折り紙のご紹介をしたいと思います。

今回はバラのつぼみです。 正統派?のバラのつぼみをお探しの方はこちらもどうぞ。

ねじり折を使わないバラのつぼみ
ねじり折を使わないバラのつぼみ

川崎ローズのバラのつぼみ・・・、とは少し違ったバラのつぼみです。(違いが分かりますか?)

そうなんです、花芯がグルグルなんです。

川崎敏和氏の考案(創作)したバラ「川崎ローズ」は花の中央部に「ねじり折り」が取り入れられているのが特徴です。

また、その美しいフォルムは「ねじり折り」を立体化することで実現されているといっても過言ではありません。

川崎ローズのねじり折りとその立体化(バラのつぼみ)
川崎ローズのねじり折りとその立体化(バラのつぼみ)

ではこの特徴的な、川崎ローズの川崎ローズたる部分である「ねじり折り」を取り除いてしまったらどうなるのでしょうか?
(クリープを入れないというより、コーヒー豆を使わないコーヒー?みたいな)

実は、すべての川崎ローズで、このねじり折を使わないで折る事ができます。(ただし、もうこの段階でバラとも川崎ローズとも言えなくなりますが・・・)

例えば、がくの付いたバラのつぼみから、ねじり折を排除するとこんな感じになります。

がくの付いたバラのつぼみからねじり折りを排除する
がくの付いたバラのつぼみからねじり折りを排除する

初代の川崎ローズ(福山ローズ)ひらいたバラも同様です。

初代の川崎ローズ(福山ローズ)ひらいたバラからねじり折を排除する
初代の川崎ローズ(福山ローズ)ひらいたバラからねじり折を排除する

花芯部がみごとにのっぺらぼうの立方体(直方体)になります。

川崎ローズの素晴らしいところは、バラの中にこのような立方体(または直方体)を内包しているという点です。

これによって、骨組みがしっかりとしたバラが立体化できるとともに、裏蓋を四角くきっちり閉じることができるのです。(1分ローズは半開ですが・・・)

ねじり折りを用いたバラは、中心の花芯から折り進めて(組み立て)ゆくわけですが、この際にどうしてもエラー(折り誤差)が生じます。
このエラーが累積していったとしても、最後に蓋を閉じる工程で外周の花びらの角度配置などを正常に戻す効果があると考えられます。半開構造では、なかなかこうはいきません。

このあたりが川崎ローズの計算された美しさであり、大きな魅力であると思っています。


さて、それでは川崎ローズからねじり折りを除去し、のっぺらぼうになった花に別の花芯を形成してみるとどうなるでしょう。
(なんだかマッドサイエンティストになって心臓移植するみたいです…。嵐の夜に不敵な笑みを浮かべながら折る…のは危険かも。)

のっぺらぼうの立方体(直方体)の上部の正方形を、風船の基本形の要領でつぶすようにつまんで中央を尖らせ、尖った先端をツイストローズの要領でねじると、花芯がツイストローズ風のバラが完成します。
(外観は川崎ローズ、花芯はツイスト系という、改造折り紙?・・・)

川崎ローズ(バラのつぼみ)とツイスト系川崎ローズ
川崎ローズ(バラのつぼみ)とツイスト系川崎ローズ

川崎ローズ(がく付きのつぼみ)とツイスト系川崎ローズ
川崎ローズ(がく付きのつぼみ)とツイスト系川崎ローズ

先に述べたように、どの川崎ローズにもこの手法は適用可能ですが、色々試行してみたところ、まだ十分に花芯の開いていない、硬いつぼみの表現方法に適しているのではないかと思います。

1分ローズもツイスト系に
1分ローズにもツイスト系の魔の手が… 一分ローズも直方体(半開)を内在しています。

なお、この花芯を風船の基本形の要領で尖らせ、ねじってツイスト系のバラを構成する手法は Hyo Ahn 氏の How to make origami rose paper flowers に掲載のSpiral Rose(Rosebud)New Swirl Kawasaki Rose などに用いられている折り方です。

また、比較に用いた川崎ローズ「バラ(つぼみ)」はすべて、よりつぼみらしくなるようにプロポーションを変更したものです。

川崎ローズが折れる方なら、おそらくどなたでもこんな風なアレンジが可能です。

川崎ローズからねじり折りを除去する具体的なやり方は、また別の機会にご紹介したいと思います。

ちょっと変わったバラを折ることももちろん面白いと思いますが、川崎ローズの隠された一面を発見できることも大きな魅力かもしれません。

普通の川崎ローズに飽きた方はもちろんですが、川崎ローズを骨の髄までしゃぶりたい方もぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

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お部屋に飾ったりプレゼントに使える作品を作る折紙教室の開催を予定しております。ご興味ある方は、詳細情報へのリンクが左サイドバーサイトマップの辺りにありますのでご覧ください。ここからも飛べます。

がく付きのバラのつぼみはこちらに記載されています。

初代の川崎ローズ バラ(つぼみ)はこちらに記載されています。

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2012年5月15日 (火)

折り紙教室(2012春)の折り込み広告

最新の折り紙教室の情報はこちらからどうぞ。

小生の自宅は三ツ境カルチャーセンターの近隣ではないので、現物は確認できないのですが、新聞に折り紙教室(2012春)の折込広告が入ったようです。

Photo

Photo_2 記載のように、5月29日に無料体験講習会(要教材費)があります。

横浜の三ツ境近隣にお住まいの方でご興味ある方はお誘い合わせのうえ、奮ってご参加ください。
(誰も来ないと格好が付かないので…)

なお、本教室に関しての詳細・お申し込みなどは三ツ境カルチャーセンターへお問い合わせください。

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2012年5月11日 (金)

イメージギャラリーを設置しました

すこしまともな写真がたまってきたので、イメージギャラリーを設置しました。
左のサイドバーに入り口を設定しておきます。
結構似たような写真が多くなってしまってますが、ご了承ください。

「薔薇と折り紙の日々」イメージギャラリーはこちらから 

バラ(川崎ローズ)の花束アレンジ
バラ(川崎ローズ)の花束アレンジ
創作(原作)者:川崎敏和氏 「折り紙夢WORLD」(朝日出版社)


カーネーションの花束アレンジ
カーネーションの花束アレンジ
右前 9セル隣接配置構造のカーネーションの花束アレンジ
左奥 創作(原作)者:鈴木恵美子氏 「暮らしのなかのおりがみ」(パッチワーク通信社)

ゆり(伝承作品)の花束アレンジ
ゆり(伝承作品)の花束アレンジ
伝承のゆり(タイプⅡ)の紹介: 川崎敏和氏 編・著「博士の折り紙夢BOOK」(朝日出版社)

ブログの記事として、まだ取り上げていないものもありますが、機会をみて詳しくご紹介させていただきたいと思います。

諸々の事情により、画像にやや大きめウォーターマーク(透かし)を入れさせていただくことにしました。
これまでも画像の隅にサイト名を入れるようにしていたのですが、効果がないようなので苦肉の策です。(いたちごっこともいいますが…)
あまり邪魔にならないよう工夫したつもりですが、どうかご了承ください。
こんなことしなくちゃいけないのが悲しいです。

さて、あなたはどの写真がお気に召しましたでしょうか?
そんな写真があったら、ぜひ投票ボタンをポチっとおねがいします。

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2012年5月 2日 (水)

簡単なカーネーションと花束の作り方-2

前回は「簡単にできる」ためなら手段を選ばないという方針で、4セル独立配置のカーネーションを作成してみました。

4セル独立配置のカーネーション

カーネーションができましたので、今回はプレゼント用に一輪の花束にアレンジしてみましょう。

一輪の花束にアレンジ

今回も、がんばって母の日のプレゼントを何とかしようと考えている、良い子のみんなのために、作り方の手順を公開してみます。

なお、この作品や作り方が、このブログや小生を離れて勝手に一人歩きすることは望んでいませんので、無断で転載したり二次利用することはご遠慮ください。個人で楽しむ範囲(お母さんへのプレゼントなど)でご利用ください。
(あっ! もちろん奥さまやお婆さまへでもOKです。)

それぞれのパーツの作り方は後で詳しく説明しますが、全体の流れを説明しておきましょう。

この花束は、花(カーネーション)、花台、ラッピングペーパーの3つのパーツから出来ています。それぞれのパーツが出来上がったら、これらの3つを組み立てます。

3つを組み立て

花台の中央にカーネーションを接着します。カーネーションの軸の先端付近に木工用ボンドを塗ってしっかり糊付けしてください。プレゼントとして差し出した途端にポロッとはずれてしまったらシャレになりません。

カーネーションのおさまりが悪い場合には、花台の中央に穴を開けて軸を少し差し込むようにしてもいいと思います。

木工用ボンドは乾くまで少し時間が掛かるので、あわてず乾燥をしばらく待ちましょう。

カーネーションが花台にしっかり取り付けられたら、花台をラッピングペーパーの中央にはめるように乗せ、ラッピングペーパー先端ののりしろを利用して花台と糊付けします。

花台とラッピングペーパーの糊付けは、中心がずれないように、ラッピングペーパーが歪まないように注意してください。

リボンを付けて完成

あとは、お好みでリボンをつけて完成です。どんなリボンにするかはご自分で色々工夫して作ってみてください。

花束の下の2~3cmを銀色の折り紙で包んで、その境目にリボンを付けると本格的になりますョ。

あまり細部にまで凝ったつくりにすると、「簡単にできる」という最大の目標から逸脱してしまうので、ここではこれくらいにしておきましょう。

カーネーションの色、花台の色、リボンの色・形などを工夫して、ひとつしかないあなただけのプレゼントを作ってください。


それでは、花台の折り方です。

Imgp1043
1.紙を用意します。

10cm角の大きさで、同じものを2枚つくります。両面同色の必要はないと思います。強度的にも2枚重ねて使うので、普通の15cm折り紙から切り出したもので十分です。

Imgp1044
2.三角に折ります。

この際に左半分は折り目をつけないほうが、仕上がりに不要な折り目が入らなくなります。

Imgp1045
3.右側を三角に折りあげます。

Imgp1046
4.三角に山折りして内側に挟み込むようにします。

はずれないように糊付けしておくとよいでしょう。

Imgp1047
5.すり鉢状に広げます。

Imgp1050
6.2枚作成したら、重ねて糊付けして完成です。

糊付けの際に、中心を合わせ角を互いにずらすように重ねてください。


続いて、ラッピングペーパーです。

Imgp1028
1.紙を用意します。15cmですこし厚みのある折り紙(タント紙 など)を使用します。

Imgp1029
2.3角に折ります。

Imgp1030
3.左手前の角を半分に(鋭角になるよう)折ってゆきます。左奥の紙を上から見えるようにしたまま、右手前の紙を裏へまわすように山折りします。

Imgp1031
4.同様に更に鋭角になるよう折ってゆきます。右手前の紙を裏へまわすように山折りです。

Imgp1032
5.ハサミでカットします。

Imgp1034
6.広げます。 折り目があるとなかなか丸く仕上がらないので、平らによく伸ばしておきます。

Imgp1037
7.ラッパ状に丸めて糊付けします

この際ののりしろはあまり多く取らない(5~8mm)ほうが良いようです。

Imgp1039
8.先端をすこし(0.5~1cm)曲げて糊しろにしておきます。(着色した部分)
花台との接着の際に使用します。

以上でラッピングペーパーの完成です。

空洞の構造なので、普通の折り紙だと弱くてフニャフニャになってしまうので、すこし厚めの紙を使用してください。(両面同色の必要はありません)

お気に入りの包装紙(ラッピングペーパー)をお持ちの方は、すこし厚めの仮のラッピングペーパーで1輪の花束を組み立て、その上から包むようにしても良いと思います。



以上、簡単にできるカーネーションを用いて、1輪の花束アレンジを作成してみました。

カーネーションさえ出来れば、あとは簡単だと思います。針金などは使っていませんので、はさみの扱いに注意すればお子様でも問題なく作れると思います。

まだ母の日には間に合うと思います。日頃の感謝の思いを込めてプレゼントしてはいかがでしょうか。

上手に出来たら、コメント欄で教えてくださいね。

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折り紙の楽しさを感じていただけたら、ぜひお近くの折り紙教室へ。
折り紙教室の詳細はこちらです。

折り紙講師のご用命も承っております。ご依頼・お問い合わせは、プロフィールページメールフォームをご利用ください。

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