« 川崎ローズ薔薇の花束(ブーケアレンジ) | トップページ | あさがおのテーブル花 »

2012年6月29日 (金)

5角形から折る川崎ローズ「薔薇」(正方格子)L1

Naomiki Sato Rose で5角形づいてきましたので、本家の川崎ローズ「薔薇」を5角形の紙から折ってみることにしました。

5角形から折る川崎ローズ「薔薇」
5角形から折る川崎ローズ「薔薇」 左下の黄色は4角形から折る通常の「薔薇」

初代の川崎ローズ「ひらいたバラ」(福山ローズ)を5角形の用紙を用いて折ることは、以前ご紹介させていただきました。

これは、このブログをはじめた際の最初の折り紙に関する記事でした。
ずいぶん古い記事にもかかわらず、今でもアクセスいただいているようですので、ちょっと難しい川崎ローズ「薔薇」も5角形の紙から折ってみましょう。

まぁ、川崎ローズのファンなら誰もが通る道みたいなものでしょうかね。

結論からお話しすると、かなりややこしくて頭をひねりまくりましたが、一部を除けばうまくできたと思います。

うまくいかない一部分とは、
川崎ローズ「薔薇」には、最後の裏蓋を閉じる際に「立体かぶせ折り」という手法が用いられています。これは本来正方形の底を閉じるための、90度のサイコロの角にかぶせるよに折る折り方です。5角形から折った場合には、裏の底辺も5角形になりますので、108度の角に無理やり90度の「立体かぶせ折り」をする形となり、若干無理があります。
この最後の「立体かぶせ折り」がこんなもんでいいやと納得できるようなら、5角形でも折れるということになります。

5角形から折る川崎ローズ「薔薇」
5角形から折る川崎ローズ「薔薇」 左下の黄色は4角形から折る通常の「薔薇」

さて、
ご存知のように、初代の川崎ローズ「バラ」やちょっと難しい「薔薇」は、折る過程で最初に格子状に縦横にグリッドを入れ、これを頼りに折り進めてゆきます。

このグリッドが上手く5角形の用紙に移植(写像)さえできれば、あとは比較的簡単です。(もう出来たようなものですね)

それではまずオリジナルの川崎ロ-ズ「薔薇」のグリッド構造をじっくりながめてみましょう。

5角形から折る川崎ローズ「薔薇」
5角形から折る川崎ローズ「薔薇」

オリジナルの「薔薇」は正方形の用紙に斜めにグリッド(格子)を入れて折ってゆくのが特徴です。このあたりが複雑に感じる主な要因なのですが、正方形の用紙の内部に傾いて内接する正方形があると考えると構造が把握しやすいと思います。

内接する正方形に着目すると、この正方形にとっては各辺に平行な、縦横垂直な通常のグリッド(正方格子)になっています。この内接する正方形で基本的な「ばら」を折り、用紙の余った部分が外周花弁として追加される構成になっていると見ることができます。

川崎ローズ「薔薇」のグリッド構造
川崎ローズ「薔薇」のグリッド構造

面白いことに、この内側に形成する基本の「ばら」は、がくの付いた「バラのつぼみ」に構造が似ています。ですから、5角形折りにチャレンジする順序としては、先にがくの付いた「バラのつぼみ」を5角形化できるようになってから取り組むべきかもしれません。(このほうが単純ですから…)

この内接正方形(というかグリッドも)は用紙に対して22.5°(正方形の中心角90°の1/4)傾いています。

そこで、今回5角形で折る際には、用紙に対して18°(正五角形の中心角72°の1/4)傾いた5角形を内接させる構造としてみました。この内側の5角形を用いて基本の「ばら」を折ることができれば、紙の余白が自動的に外周花弁として追加されるという算段です。

用紙に内接する5角形の領域
用紙に内接する5角形の領域

ここまで話を進めると、賢明(というかマニアック)な読者の方には、もう容易に5角形化できるかと思います。特に初代の川崎ローズ「バラ」を5角形で折った経験のある方にはこの先は簡単でしょう。

しかし、今回はもう少し工夫が必要でしたので、せっかくですから記しておきましょう。

オリジナルの正方形のグリッドを、五角形の紙にどのように移す(写像する)かの方針をあらかじめ定めておく必要があります。

通常は、分割数が等しくなるようにグリッドを設定するのが一般的だと思います。例えば正方形の1辺を4等分するグリッドであれば、5角形の一辺も4等分するように設定します。

この方法は用紙をムラ無く均一に扱うことができ、オリジナルの特徴を再現できる手法ではあるのですが、グリッドのアスペクト(縦横)比が変化してしまう問題が生じます。

本質的に正方形から5角形への写像ですから、どこかに歪(無理ともいう)が生じるのは仕方のないことです。

今回5角形で折る川崎ローズ「薔薇」は、最終組立工程で裏蓋を閉じるため、「立体中割り折り」・「立体かぶせ折り」などの技法が用いられています。これらを忠実に再現しようとするとグリッドのアスペクト比が1:1すなわち正方形である必要があります。

5角形折りでの立体中割り折り
5角形折りでの立体中割り折り

先にも述べたように、この「立体中割り折り」・「立体かぶせ折り」は角が90°のサイコロ状に折り上げる工程で、必ずしも5角形で折ることにマッチしていないのですが、オリジナルのイメージを生かすため外周花弁形成の手法としてそのまま用いることにしました。

5角形への写像で縦横比の変化してしまったグリッドを用いて、うまく5角形に合った変則的な「立体中割り折り」・「立体かぶせ折り」ができれば一番良いと思われますが、なかなか上手い方法はみつかっていません。

そこで、今回はオリジナルの正方形のグリッドを、五角形に写像(マッピング)する方針として、辺方向の分割数が等しくなるよう横グリッドを設定し、縦グリッドはアスペクト比が1:1となるように外側から刻んでゆく、という方針としました。

5角形から折る川崎ローズ「薔薇」
5角形から折る川崎ローズ「薔薇」

実質的には縦方向の分割数がオリジナルより多くなるため、尾根ライン方向に間延びした形になります。外周花弁から花弁増し(2重中割り折り)の近辺までは、正方格子グリッドの上に乗っており、オリジナルと同様に形成することが可能です。これにより、周辺から見たフォルムは、川崎ローズ「薔薇」のイメージを維持したまま、5枚に増えた花弁と、長くなった尾根ラインによるボリュームのある内周花弁を実現することができます。

長くなった尾根ラインに合わせて、花弁増し(2重中割り折り)の場所をもう少し(グリッド1マス程度)内側に移動させても良いかとも思います。早い段階での2重中割り折りによって尾根ラインが上部に跳ね上がりますが、ゆったりカールさせてやるとすこしイメージの異なる薔薇となります。

以上、相変わらず長い記事になりましたが、川崎ローズファンを自負される方はお試しいただくと楽しんでいただけると思います。

面白そうだからチャレンジしてみようという方は、まずオリジナルの川崎ローズをきちんと習得してみてください。
次に、初代川崎ローズ「バラ」または「ひらいたバラ」(福山ローズ)を5角形で折ってみましょう。5角形でのねじり折りや、縦横の分割数を等しくしたグリッドの写像ができるようになると思います。
さらに、がくのついた「バラのつぼみ」を5角形で折ってみると、縦横のアスペクトを重視したグリッドの写像が体感できます。
これらができるようになってから、この「薔薇」にトライすることをお勧めします。いきなり取り組んでも、おそらくわけがわからなくなるだけだと思います。

おまけの戯言

文具店で入手しやすい用紙の形状は、A3、B4 などの1:√2の矩形です。ここから5角形を切りだすと切りくずが出るわけですが、これがもったいなくて仕方ありません。面積的には使えるのは半分くらいでしょうか。5角形のバラファンの家の燃えるごみはこの切りくずでいっぱいなんでしょうか。

1:√2の矩形から比較的効率よく切り出せる正多角形として、正6角形があります。用紙を巾いっぱいに使うと正方形より効率よく(大きく)切り出すことができます。Naomiki Sato Roseも川崎ローズもこの6角形で折ってしまえばよいのですが、5から6に1つ増えただけなのにイメージがだいぶ変わってしまうのです。

6枚花弁だと、花びらのかもし出すリズムが単調になり、人工的な造形物のイメージが強くなってしまいます。折り紙だって人工的造形物ですから当たり前なんですが・・・。そういう意味では5角形には魅力的な何か(黄金比?)があるのだと思います。

お気に召しましたら投票ボタンをポチっとおねがいします。

blogram投票ボタン

精度の高い5角形の切り出し方こちらの記事をご参照ください。

初代川崎ローズ「バラ(つぼみ)」「ひらいたバラ」はこちらを参考になさってください。

  川崎敏和著「折り紙夢WORLD」(朝日出版社)

  川崎敏和著「博士の折り紙夢BOOK」(朝日出版社)

川崎ローズ「薔薇」はこちらに掲載されています。

  川崎敏和著「究極の夢折り紙」(朝日出版社)

  川崎敏和著「折り紙夢WORLD 花と動物編」(朝日出版社)

  川崎敏和著「バラと折り紙と数学と」(森北出版)

「薔薇と折り紙の日々」イメージギャラリーを、設置しております。
お時間ある方はどうぞお立ち寄りください。 
写真のクリックでギャラリーページに
パンジーの花束 小さな花束-1 クリスマスの飾り(天使と修道女)-3 クリスマスの飾り(リース)-3
折り紙教室サンプル2013冬-2 5角形から折る川崎ローズ「薔薇」(2) ねじり折りバードベースローズ(2重中割り折り)-2 Swirl Rose(渦巻きのバラ)

|

« 川崎ローズ薔薇の花束(ブーケアレンジ) | トップページ | あさがおのテーブル花 »

バラ」カテゴリの記事

オリジナル作品」カテゴリの記事

川崎ローズ」カテゴリの記事

5枚花弁のバラ」カテゴリの記事

折り紙」カテゴリの記事

コメント

はじめまして。
こんにちは。
以前から何度かブログを拝見しておりました。
五角形のバラ、凄いですね!
完成形が少し佐藤ローズに似ているのかなと思いました。
五角形でバラを折るとなぜかより本物らしく見える気がします。
僕も五角形の川崎ローズ折れるようになりたいです。

投稿: 名倉 邦彦 | 2013年10月20日 (日) 18時16分

>>名倉 邦彦 さん、

コメントありがとうございます。
川崎ローズは基本的にグリッドベースの折り紙ですから、
四角→五角のマッピングをうまくやれば、5角形でも(6角形でも?)すぐに折れるようになると思います。ぜひチャレンジしてみてください。
今後ともよろしくお願いいたします。

投稿: なか(管理人) | 2013年10月20日 (日) 18時25分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1258064/45602192

この記事へのトラックバック一覧です: 5角形から折る川崎ローズ「薔薇」(正方格子)L1:

« 川崎ローズ薔薇の花束(ブーケアレンジ) | トップページ | あさがおのテーブル花 »