« 三ツ境教室の折込広告(2013年冬) | トップページ | 初代川崎ローズのアレンジ「もっとひらいたバラ」-2(折り方の詳細) »

2013年1月13日 (日)

初代川崎ローズのアレンジ「もっとひらいたバラ」-1(着眼点と経緯)

ご存知のように、川崎敏和氏が「ばら」として最初に発表した作品、初代の川崎ローズには「バラ(つぼみ)」と「ひらいたバラ」があります。

「ひらいたバラ」は一部の方からは「福山ローズ」とも呼ばれている作品です。

中央:「ひらいたバラ」(オリジナル) 周辺:「もっとひらいたバラ」
中央:「ひらいたバラ」(オリジナル) 周辺:「もっとひらいたバラ」

今回は「ひらいたバラ」の外周花弁を、オリジナルより少し大きく開くようレンジした作品をご紹介します。題して「もっとひらいたバラ」です。

「おもいっきりひらいたバラ」にしようかと考えたんですが、お昼のテレビ番組みたいなので「もっとひらいたバラ」とさせていただきました

 左:オリジナル 右:もっとひらいたバラ
左:オリジナル 右:もっとひらいたバラ

比較してみると差はわずかですが、外周花弁のサイズが大きくなり、大きく広げることが出来ます。水平に広がるようになったため、全体のバランスも背が低く平たくなったように感じられると思います。

左:オリジナル 右:もっとひらいたバラ
左:オリジナル 右:もっとひらいたバラ

まず、このアレンジに至った経緯を説明しておきましょう。

花びらがメインとなるようなバラなどを、折り紙で表現する際に重要になるのは、有限の折り紙のリソースをどのようにして花びらに効果的に割り当てるかということになります。

ご存知のように、初代川崎ローズは普通の(裏の白い)折り紙で折れる作品ですが、両面同色の折り紙を必要とする作品に比較すると、このリソースの制限は厳しくなります。

たとえば1枚の花びらを表現しようとする場合、花びらの裏表両面に色を付けるためには、普通の折り紙の場合、両面同色の紙に比較して2倍のリソースを必要とします。

逆に両面同色の紙であれば、半分のリソースで1枚の花びらが表現でき、自由度が大きく高まるわけです。

ちょっと難しい川崎ローズ「薔薇」は、両面同色の紙を利用することによって得られた(浮いた)リソースを用いて花弁のボリュームを増していると考えてもよいかと思います。逆に写実性の高い表現を実現するため、両面同色の紙を使用せざるおえなかったとも言えるでしょう。

このように厳しいリソースの制限のなかで、うまくやりくりしてできている初代川崎ローズなのですが、本当に無駄な部分はないのでしょうか。

以前から気になっていたのは、初代川崎ローズの8x8のグリッド線の4隅の2マスを折って使用する箇所です。角を折ることで利用できる紙の面積(リソース)は減少してしまっているように見受けられます。

初代川崎ローズの4隅2マスを三角に折る工程
初代川崎ローズの4隅2マスを三角に折る工程

実際にはこのようの折らなくても同じ8角形の形状が出来ていれば、バラとして折り進めることが出来ます。

たとえば、連薔薇(川崎ローズの連鶴風)や、バラと妹背山の繋ぎ折り で示したように紙を45度回転させて角を1/3折って8角形を形成しても、バラを完成させることができます。

すなわち、この四隅の角を切り落として8角形を形成しても基本的には問題ないわけです。
厳密には外周花弁の先端部の裏側に折り紙の裏面が出てしまうことを防いでいるので、完全に無駄というわけではないのですが・・・。

この無駄に思われてしまう4隅のリソースをもっと有効に活用して外周花弁を大きく出来ないかと思い、検討してみた結果生まれたのがこのアレンジです。

結果的に、4隅を折らずに外周花弁を形成し、外周花弁をすこし大きくすることができました。

裏からみたところ 左:「ひらいたバラ」 右:「もっとひらいたバラ」
裏からみたところ 左:「ひらいたバラ」 右:「もっとひらいたバラ」

また「ひらいたバラ」では裏面に風車形の白い面が表れますが、「もっとひらいたバラ」では裏の白い面を全く出さずに折ることができます。
まあ、裏側で見えなくなっちゃうので、あんまり関係ないかもしれませんが…。

初代川崎ローズのアレンジ「もっとひらいたバラ」
初代川崎ローズのアレンジ「もっとひらいたバラ」

折り方の詳細は次回詳しく紹介させていただく予定です。

基本的に初代川崎ローズ「ひらいたバラ」あるいは「福山ローズ」の外周花弁の形成方法を変更しただけで、他の部分は初代川崎ローズと同じですので、主に「ひらいたバラ」と異なる部分のみ示して見たいと思います。

初代川崎ローズ「ばら(つぼみ)」をより蕾らしくアレンジする手法は、川崎ローズ「バラ(つぼみ)」のプロポーションとしてすでにご紹介いたしました。
また、「ひらいたバラ」の開き具合を調整する方法は初代川崎ローズ「バラ」の表情 で示した通りです。

今回、初代川崎ローズ「ひらいたバラ」をより大きく開花させるアレンジができたことで、皆さんの手でより表情豊かに咲き乱れさせていただけるといいと思います。

お気に召していただけたら、ぜひ投票ボタンをポチっとおねがいします。

blogram投票ボタン

初代川崎ローズ「ひらいたバラ」は、川崎敏和著「折り紙夢WORLD」(朝日出版社)に掲載されている作品です。

折り紙の楽しさを感じていただけたら、ぜひお近くの折り紙教室へ。
折り紙教室の詳細はこちらです。

折り紙講師のご用命も承っております。ご依頼・お問い合わせは、プロフィールページメールフォームをご利用ください。

「薔薇と折り紙の日々」イメージギャラリーを、設置しております。
お時間ある方はどうぞお立ち寄りください。 
写真のクリックでギャラリーページに
パンジーの花束 小さな花束-1 爪掛けポックリと下駄 初代川崎ローズのアレンジ「もっとひらいたバラ」
折り紙教室サンプル2013冬-2 5角形から折る川崎ローズ「薔薇」(2) ねじり折りバードベースローズ(2重中割り折り)-2 お正月の飾り(ヘビとカエル)

|

« 三ツ境教室の折込広告(2013年冬) | トップページ | 初代川崎ローズのアレンジ「もっとひらいたバラ」-2(折り方の詳細) »

バラ」カテゴリの記事

川崎ローズ」カテゴリの記事

折り紙」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1258064/48424140

この記事へのトラックバック一覧です: 初代川崎ローズのアレンジ「もっとひらいたバラ」-1(着眼点と経緯):

« 三ツ境教室の折込広告(2013年冬) | トップページ | 初代川崎ローズのアレンジ「もっとひらいたバラ」-2(折り方の詳細) »