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2015年4月17日 (金)

精度の高い正5角形の切り出し方

暖かくなったかなと思ったら雨が降ったりして、周期的にお天気が変わって、寒暖の差が激しい日々が続いています。とりあえず季節の歩みとしては、着実に進んでいるようです。

さて、以前の記事で5角形の切り出し精度について検討し、一般的な5角形の切り出し法には tan 72°≒ 3 近似に起因する誤差(0.8%程度)が生じることを示してきました。

今回は、この5角形の切り出し法をアレンジした、もっと高精度正5角形を切り出す方法をご紹介させていただきましょう。

まぁ、色々細かい(めんどくさい)ことを解説する前に、具体的な手順をご覧いただきましょう。

なお、この手法が、このブログや小生を離れて勝手に一人歩きすることは望んでいませんので、無断で転載したり二次利用することはご遠慮ください

 

1.正方形の用紙を半分に四角く折ります。
正5角形の切り出しStep1

2.左側を1枚めくって折りすじをつけます。
正5角形の切り出しStep2

3.下部を少しあけて、斜めに折りすじをつけます。
正5角形の切り出しStep3

4、あける隙間は、用紙サイズの4%15cm6mm25cm10mm)で、中央に折りすじを付けて元に戻します。
正5角形の切り出しStep4

5.右下角を折りすじの交点に合わせて折ります。
正5角形の切り出しStep5

6.右下角を尖らせるように折ります。
正5角形の切り出しStep6

7. 左下端を段差に合わせて折ります。
正5角形の切り出しStep7

8.中央の合わせ目で山折りします。
正5角形の切り出しStep8

9.重ねたまま、段差で切り落とし、ひろげて正5角形の完成です。
正5角形の切り出しStep9

 

この方法のポイント(胆)は、Step3、4の隙間をあける所にあります。

下端に隙間をあけることで、折りすじの交点がわずかに左にずれます。これによって、

   tan( 72°) = 3.07768・・・

の3以下の端数(0.07768…)を微調整しています。

ちなみに、全く隙間を空けなかった場合には、tan( 72°) ≒ 3 と近似する従来の方式と同じになります。(最低限でも従来方式の精度は確保できるってことです。あんまりあけすぎてもダメなんですが、この倍(8%)もあけちゃう人はいないんじゃないかと…)

折り紙の大きさの4%の隙間(15cm折り紙で6mm25cm折り紙で10mm)をあけてやると、中心角がぴったり72度の正5角形を切り出すことができます。

すきま量と中心角の関係

すきま量と寸法誤差

こんなことしないで、従来方式の折りすじの交点から少し(紙のサイズの1.942%)ずらせても、この方式で4%のすきまを空けるのと同じ効果が得られます。

ただし一般的には、定規を使って寸法を決定する際に、1.94%の長さよりも4%の長さを決定するほうが高い精度が得られます。

簡単にいうと、25cmの用紙の場合、5mm弱(1.94%)を測るより10mm(4%)を測るほうが大きい分だけ楽ということです。同じ測定誤差(例えば0.5mm)が出たとしても影響(誤差の比率)は半分以下になりますからね。(4.0%でキリがいいていうのもありますしね)

×の折りすじの付け方がちょっと違うだけですので、従来の方法に慣れてしまった方にも親しみやすい方法なのではないかと思います。

備忘録として、詳細検討図を載せておきます。ご興味ある方は、「5角形の切り出し精度」の解析と比較していただくと、よく理解できると思います。
正5角形の切り出し 詳細検討図

さて、「精度の高い正5角形の切り出し方」いかがでしたでしょうか。

佐藤ローズ」(Naomiki Sato Rose)をはじめとして、「5角形から折る川崎ローズ『薔薇』」や「鶴の基本形から折るバラ5角版」など、大きな折り紙で精度よく折りたい際にご活用いただければと思います。

まぁ、たしかにこれらは、理論上の値なので、紙の厚さや作業に起因する誤差の影響は出るかと思いますが、一生懸命丁寧に折ればほとんど誤差なく折れるハズです。

「どうせ、5角形の切り出し段階で誤差が出ちゃうんだから丁寧に折っても無駄」と、あきらめて投げやりになることもなく、しっかりと良い作品を折り上げていただけるのではないでしょうか。(努力がきちんと報われる世界を!…? なんのこっちゃ)

この精度の高い5角形への切り出し手法によって、皆さんの折り紙の腕前がさらに向上して、素晴らしい作品が生まれることを祈っております。

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折り紙」カテゴリの記事

コメント

こんばんは~♪
この”精度の高い正5角形の切り出し方”凄いです!
8の中央の合わせ目で山折り、ピッタリ半分に折り合わさりますね~!
今『1枚の紙から作るバラの折り紙』の本を注文してるので
佐藤ローズに挑戦するのが楽しみです~♪
ありがとうございます*:..。o○

投稿: 愛美子 | 2015年10月22日 (木) 22時08分

>> 愛美子 さん

コメントありがとうございます。
隙間を全くあけない従来方式より「ちょっと隙間を空ける」ことにより、tan72°≒3.0の誤差が解消されるというわけです。
佐藤ローズは、「折り図通りに正しく折れているのに、なかなか見本の様に美しく仕上がらない」という点が魅力というか、魔力の様に引き付けられる作品だと思います。
まぁ、結局その魔性の力に翻弄されるのも楽しみ方の一つであるのかもしれませんが…。
頑張ってみてください。ご健闘をお祈り申し上げます。

投稿: なか(管理人) | 2015年10月22日 (木) 22時59分

なか先生、こんにちは~♪

>折り図通りに正しく折れているのに、なかなか見本の様に美しく仕上がらない
確かに~!

でも最初の五角形をきっちり作ることによって、折り線は凄く正確に隣り合う線どうしがきっちり気持ちが良いほど繋がっています。

一応私も一通りは折れました。でも最後の中割り折りで気を抜いてしまって…ちょっと残念ですが~

見本のようには仕上がっていませんが、一応は今の所はこんな感じで仕上がっています。
良ければ私のTwitterにアップしましたので、チェックしてみて下さい。

投稿: 愛美子 | 2015年10月27日 (火) 18時24分

>> 愛美子 さん、
写真拝見いたしました。
美しく仕上がってると思いますョ。
佐藤さんも「折り図通りに仕上げても個性が出る」とおっしゃってますので、ご自分で納得できる仕上がりならよろしいかと思います。
編み物もお上手なんですね。
また遊びにいらしてください。

投稿: なか(管理人) | 2015年10月28日 (水) 07時38分

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