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2016年1月 2日 (土)

「蓬莱」 秘伝千羽鶴折形より 

新年おめでとうございます。

どうやら、なんとか無事に2016年を迎えることができました。(いやぁ~めでたい!)

新年最初の作品として、折り紙の古典「秘伝千羽鶴折形」から「蓬莱(ほうらい)」を折ってみました。

「秘伝千羽鶴折形」は1797年(寛政9年)に出版された、魯縞庵(ろ・こうあん)作の鶴のつなぎ折りの作品集です。

昨年は「秘伝千羽鶴折形」から「りんどうぐるま」を紹介させていただきました。

「蓬莱(ほうらい)」は「秘伝千羽鶴折形」の巻頭を飾る5羽の鶴のつなぎ折り作品で、4羽の鶴が羽のの先を合わせて中央の鶴を下から支える形をしています。

蓬莱(秘伝千羽鶴折形より)

折り紙好きの方はもうお気づきと思いますが、朝の連続テレビ小説「あさが来た」にたまにちょこっと写ったりしていた作品です。 (びっくりポン!だす。)

ヒロインの嫁ぎ先の「加野屋」の店主の席(帳場?)をじっくり観察していただくと、傍らに「秘伝千羽鶴折形」からの連鶴作品が飾ってあったりします。

蓬莱(秘伝千羽鶴折形より)

「蓬莱(ほうらい)」は商売繁盛の縁起物として、「加野屋」の大奥さまが折ったという設定になっていました。最近では代変わりして別の作品(「早乙女(そうとめ)」かなぁ「巣籠(すごもり)」かも)が飾ってあるようです。(この奥さまは、夫婦円満を願って「妹背山」を折ってみたり、張子の犬を作ってみたりと、今だったらカルチャースクールのお得意様になってくださりそうな方です。)

まぁそんなわけで、なにより縁起物としておめでたい「蓬莱」の紙の取り方です。

蓬莱の紙の取り方1
蓬莱の紙の取り方1 青:谷折り 赤:山折り 緑:切り込み

こちらが、「秘伝千羽鶴折形」に記載されている「蓬莱」の紙の取り方ですが、手元にあった和紙千代紙だと厚みがそこそこあるため、このままでは紙が重なる部分で厚みが大きくなりなかなかすっきりと仕上げることはできませんでした。

そこで今回は紙の厚みをスリム化してすっきりと折り上げるために、下図のように多重に紙が重なる部分をバッサリと切り落として作成してみました。

蓬莱の紙の取り方2
蓬莱の紙の取り方2 青:谷折り 赤:山折り 緑:切り込み

上図aは、中央の鶴を折って紙を畳んだ際に正方形からはみ出てしまう領域で、紙のスリム化のために切り落とす部分としてすぐ思いつく箇所ですが、今回はさらに踏み込んでbのエリアも切り落としてスリム化しています。(もうこれ以上切るとバラバラになっちゃうので…)

本来なら、薄くてコシのある和紙を入手して原作の指示通りに折るのがよいのでしょうが、折り紙作品としては見栄えも重要かと思います。華やかな和紙千代紙を使ってすっきり仕上げたこんな作品もよいのではないでしょうか。(お正月だしね)

蓬莱(秘伝千羽鶴折形より)

具体的な折り方は、岡村昌夫氏の書籍「つなぎ折鶴の世界」(改訂版)を参考にさせていただきました。この解説がなかったら、かなりの試行錯誤で多くの無駄な紙を使ってしまったことだろうと思います。(解説があってもかなりめんどうな作品ですけどね)

「秘伝千羽鶴折形」には類似な紙の取り方をする作品として、「巣籠(すごもり)」、「迦陵頻(かりょうびん)」があり、岡村氏の書籍では、両者の紙の取り方として、中央の鶴を45°回転させる別案が示されています。

「蓬莱(ほうらい)」にもこの手法を適用すると、上図aの領域は切り落とす必要がなくなる(正方形から飛び出さなくなるので)かなぁと思っています。(こんどやってみますね。)

いずれにせよ、二百年以上前の折り紙マニアの知恵には敬服せざるおえず、単なる昔の古典文献として侮ることはできないなぁと感じます。

年の初めに歴史を振り返って「江戸時代の人たちもこんな風に頭をひねりながら折り紙してたのかなぁ」と思いにふけってみてはいかがでしょうか。(きっと「加野屋」の大奥さまも苦労されたんじゃないかと… まぁ風吹ジュンが折ったんじゃないとは思うけど…)

鶴をつなげた連鶴と類似な作品としては、「鶴とゆりのつなぎ折り」を昨年12月22日(火)に読売カルチャー横浜にて講習させていただきました。

折り紙教室の詳細はこちらです。→ 折り紙教室のご案内

さて、「蓬莱」 秘伝千羽鶴折形より  いかがでしたでしょうか。

本年もどうぞご愛読よろしくお願いいたします。

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「秘伝千羽鶴折形」の解説は

改訂版 つなぎ折鶴の世界 」  岡村昌夫著   本の泉社
おりがみ新発見〈3〉古典から最新作まで300年の絵巻 」  笠原邦彦著 日貿出版社

 

折り紙の楽しさを感じていただけたら、ぜひお近くの折り紙教室へ。

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