ゆり(伝承?)あれこれ
みなさん、たいへんご無沙汰しておりました。(2年ぶりぐらいです。)
アクセス数があっという間に10万を超え、気が付くと15万アクセスの大台?に乗っておりました。これも日ごろより訪問・応援いただいている皆様のおかげと、深く感謝しております。
実は、このブログをご覧になった方から、折り紙講師の依頼をいただきまして、またちょっと、(気が向いたらですが)更新してみることにいたしました。
さて、伝承作品の中で好きなものに、ユリがあるのですが、伝承作品なのに(もしかしたら伝承作品故にかも)いくつか種類があるようなんです。
たしかに、どれもユリなのですが、それぞれ個性があってだいぶ趣が異なるようなので、紹介させていただこうと思います。
左3つは、あやめの基本形(かえるの基本形ともいいますね)から折ってゆくいわゆる伝承の?ユリです。
右端は「伝承作品」ではありませんが、「作者不詳」のユリで、鶴の基本形から軸を細めるように折ってゆくものです。鈴木恵美子氏監修の「メッシュ折り紙」(ブティック社)に掲載されています。参考までに並べてみました。
一番左(タイプⅠ)が、伝承作品として最も広く知られているもののようです。
日本折紙協会の「花のおりがみ」や、山口真氏著の「日本のおりがみ事典
」(ナツメ社)に伝承作品として紹介されています。
軸がタイトにすぼまっているのが特徴で、花びらを広げたりカールさせたりがちょっと難しいようです。実際に小生は「花のおりがみ」に記載の説明「花びらを中わり折りする」を読むまでは、どのような状態が正しいのかよくわかってませんでした。
花びらが軸の上部でギュッっと集まっているため、やや平面的になりやすいかもしれません。ユリ以外の他の花に見立てることもできそうですね。(スターフラワーとか?)
左から2番目(タイプⅡ)は、川崎敏和氏 編・著の「博士の折り紙夢BOOK」に伝承の百合として紹介されているものです。
この4つの中では、一番花びらを大きく広げることができます。中空(四角錐状)の軸構造とあいまって、立体的で奥行きのある華やかなユリといえそうです。
左から3番目(タイプⅢ)は、伝承の「あやめ」の花びらをカールさせて、ユリにみたてたものです。
「あやめ」としては伝承作品ですが、「ゆり」として伝承はされてきたものではないと思われます。
ところが、小生は長年これを伝承のユリと信じていました。このような方が結構いらっしゃるようなので、ユリとして並べてみました。
中央の4つの角が特徴的ですが、ユリのちょっとゴツイおしべやめしべを表現してると思えば、それらしく見えてくるのではないでしょうか。
伝承作品はずっと長い間、人から人へ折り伝えられてきた作品です。それが故に、多少のアレンジが加わって伝播してゆくこともあるのではないでしょうか。
これ以外にも多くの折り紙作家の先生方が、「ゆり」を創作されています。
あなたの「ゆり」のイメージに近いのは、どれでしょうか?
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コメント
わー!ゆりと一言で言っても色々あったんですねぇ。
写真も美しく撮られていてさすがなかさん☆
因みにご他聞にもれず私も伝承のゆりと聞いてイメージしたのはあやめの花弁カールでしたf^_^;
投稿: りティ | 2012年3月24日 (土) 18時12分
>> りティ さん
早速のコメントありがとうございます。
いつもお世話(笑)になってます。
あやめをカールさせたゆりが、どれくらい浸透しているのか是非知りたいですね。
みんながそう思っているなら、伝承といってもよいのかもしれません。
今後も気ままに更新させていただきますので、また遊びにいらしてください。
投稿: なか(管理人) | 2012年3月24日 (土) 18時34分