川崎ローズ薔薇の花束(ブーケアレンジ)
川崎ローズ「薔薇」の花束アレンジです。
川崎ローズ「薔薇」の花束アレンジ
まず、川崎ローズの呼称について簡単にまとめておきましょう。
川崎敏和氏は数多くの「ばら」を考案創作されています。川崎ローズというと実際のところどれを指しているかわかりません。
まあ、川崎敏和氏の「ばら」ですからどれも「川崎ローズ」で間違いないのですが、どれかひとつこれぞ川崎ローズと呼べる代表的な「ばら」を選ぶとすれば、初代の川崎ローズ「バラ」だと思います。
川崎敏和氏の「ばら」が世界的にKawasaki Rose として知られるようになったのは、1987年に海外向けに出版された"Origami for the connoisseur"という書籍に掲載された初代川崎ローズがきっかけだと考えられます。
(この本は、85年にサンリオから「トップおりがみ (ビバ!おりがみシリーズ 2)」として出版されたものです。)
したがって海外ではKawasaki Rose といえば、この初代川崎ローズを示す場合が多いと思います。
なぜか日本国内ではこの、初代川崎ローズのことを福山ローズと呼ぶ人が多いようですが・・・。(折り図がネットで公開されているからでしょうね)
川崎敏和氏ご本人も「カワサキローズでない名前をむしろ好ましく思っている」とおっしゃっているようですが、原作者の手を離れて一人歩きするのはどうかと思ってしまいます。
初代川崎ローズ「ひらいたバラ」の花束アレンジ
福山ローズ(2004年)は、川崎敏和氏の著書「折り紙夢WORLD」(朝日出版社 2001年)に掲載の初代川崎ローズ「ひらいたバラ」を基に、やさしく折れるよう、折り方の手順をステップを踏んで工夫したもので、折り紙として出来上がるのは初代川崎ローズ「ひらいたバラ」です。(微妙に違うというご意見もあろうかと思いますが、基本的に同一です。)
もちろん「折り紙」という表現の中には、完成した形態のみではなく折る手順も含まれていると考えられますので、福山ローズも立派な折り紙なのですが。
色々とややこしいので、このブログでは初代の川崎ローズを「バラ」(カタカナで)、「バラと折り紙と数学と」(森北出版 1998年)、「折り紙夢WORLD 花と動物編
」、「究極の夢折り紙
」(朝日出版社)に掲載のNew Rose とよばれるちょっと難しい川崎ローズを「薔薇」と(漢字で)表現するようにしています。
初代川崎ローズ「バラ」が優れているのは、裏の白い普通の折り紙で折れる点です。15cmの折り紙で、ほぼ実物大のバラが出来上がりますので本来の「折り紙」で折れる折り紙です。
ちょっと難しい川崎ローズ「薔薇」は、リアリティの高い写実的な薔薇ですが、普通の折り紙では完成時に裏の白い面が出てしまうので、両面同色の折り紙で折る必要があります。15cmサイズだとちょっと小さいかなという気もします。(折れなくはないのですが、ディテールまで小さくなってしまうのでもったいない気がします。)
川崎ローズ「薔薇」の花束アレンジ
さて、ちょっと難しい川崎ローズ「薔薇」の花束アレンジですが、17cm角の両面同色の紙(コピー用紙)で5輪「薔薇」を折り、すり鉢状の花台に配置します。
この際に花と花台の間にUFO型?の立体(枕orあんこ)を花の向きを安定に配置するため挟んでいます。(例によって針金などの特殊な材料は全く使わないアレンジです。)
これにより、中央が盛り上がって、5輪の「薔薇」が自然な形で球状に広がって配置できます。
同じく川崎敏和氏の「バラの葉」を4枚、花の隙間に配置して完成です。
川崎ローズ「薔薇」の花束アレンジ
川崎ローズ「薔薇」が折れるようになった方はぜひ、花束作りにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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Naomiki Sato Rose でおなじみの ako さん が この川崎ローズ「薔薇」の講習を朝日カルチャーセンター 横浜 で行っています。満席続きの人気講座のようですね。ただ初心者の方には一回の講習では結構たいへんかもしれませんので覚悟して臨んでください。(予習・復習をしっかりやればOKでしょう。)
初代川崎ローズ「バラ」は、「折り紙夢WORLD」(朝日出版社)、「博士の折り紙夢BOOK
」(朝日出版社)に掲載されています。
New Rose ちょっと難しい川崎ローズ「薔薇」は、「究極の夢折り紙」(朝日出版社)、「折り紙夢WORLD 花と動物編
」(朝日出版社)、「バラと折り紙と数学と
」(森北出版)に掲載されています。
この黄色い薔薇の花束は、作品サンプルとして提出してしまったので、代わりに色違いで同じものを作成しました。こちらをご参照ください。
「薔薇と折り紙の日々」イメージギャラリーを、設置しております。
お時間ある方はどうぞお立ち寄りください。
写真のクリックでギャラリーページに
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コメント
わ~!私のご紹介ありがとうございます!
人気で満席と言うより、キャパが小さくて
満席をいただいてるようなものです(^_^;)
このブーケはそのようになっているのですね!
紙にこだわってブーケまでできるって素晴らしいです~
そのアイデアを見習いたいです。
ピンクのブーケもすごくかわいいです☆
投稿: ako | 2012年6月22日 (金) 23時08分
>> ako さん、
コメントありがとうございます。
アートフラワー的だったり、フラワーアレンジメント的手法を用いずに、アレンジの最終形態まで折り紙の作品でありたいと考えています。
しいてメリットを挙げると迷わず燃えるゴミに出せるぐらいかもしれませんが・・・(安全ってゆうのもありますかね)
講習のご成功をお祈りしてます。
サポートさせていただきますのでよろしくお願いします。
投稿: なか(管理人) | 2012年6月22日 (金) 23時46分
あし@から来ました〜はしこです。
折り紙の薔薇とても良いですね。
また、見に来ます。
勝手ではございますがリンクさせてもらっています。
投稿: はしこ | 2012年7月12日 (木) 21時37分
>> はしこ さん、
ご訪問・コメントありがとうございます。
また遊びにいらしてください。
投稿: なか(管理人) | 2012年7月13日 (金) 11時37分
初めまして、お邪魔いたします。
8才の娘が、この、立体のバラを折れるようになったので、花束にする方法を探して、ココにたどり着きました。
お写真で、一生懸命に見てますが、母の私の音痴で、上手に花束にならず…
葉は、切り紙にしました。外側は、画用紙を円錐にしました。で、折り紙そのままを2枚、で、UFOみたいな土台部分を作る…
むずかしいかしら?? 音痴な自分に落ち込んでます。
夏休みの工作宿題に、立体のバラをたくさん提出して、先生から、驚かれましたo(^▽^)o コレを、ブーケや花束にしたら、素敵ですね\(^o^)/
なお、バラもコピー用紙で折ってらっしゃるのですか? 強度のため?
投稿: 琴ママ | 2012年9月 5日 (水) 09時53分
>> 琴ママ さん、
紙の話からさせていただくと、初代の川崎ローズ「バラ」は普通の折り紙で問題なく折れるのですが、ちょっと難しい川崎ローズ「薔薇」は裏の白い面が出てしまいますので、両面同色用紙として、カラーコピー用紙を使用しています。
花束の作り方は、「川崎ローズのブーケアレンジ」という記事がありますので参考になるかもしれません。
https://naka-origami.cocolog-nifty.com/blog/2009/09/1-5e29.html
ワイヤーやフローラルテープを使って、アートフラワー的手法で仕上げるのも一興とも思います。
あとは、ご自分で色々工夫してオリジナルのアレンジに仕立ててください。それも手作りの醍醐味と思います。
頑張ってください。
お近くでしたら、折り紙教室にご参加いただけると楽しいと思います。
また、遊びにいらしてください。
投稿: なか(管理人) | 2012年9月 5日 (水) 10時24分
配色がホント美しいですね。感心致します。^^
投稿: 大木凛悟『逆説幸福論』 | 2012年10月13日 (土) 18時11分
>> 大木凛悟 さん
コメントありがとうございます。
また遊びにいらしてください。
投稿: なか:(管理人) | 2012年10月13日 (土) 18時17分