薔薇(U11-4)primary
梅雨入りした割には雨の日が少ないようです。さすがに青空が見えても、爽やかというよりじっとり蒸し暑かったりするのはやむ得ないのでしょうね。スッキリしないお天気が続きますので体調管理にお気を付けください。
さて今回は、先日の折り紙作品展の展示作品から、新作の「薔薇(U11-4)primaryバージョン」をご覧いただきましょう。
10番目のユニットU10を使ったバラU10-4は、ちょっと縦長のフォルムを実現したシンプルな形状で、新しい構造を検討するための原理試作的な作品でした。
このつぼみっぽいバラU10-4が意外に良い感じにまとまったので、もう少し外周に花弁を増してボリューム感を出したのが今回ご紹介する薔薇(U11-4)です。
U11ユニットは、正方形から折るユニットで(切り込みはあるんですが)、U11を4個を糊付けなしで、がくにはめ込んで組み上げるようにした作品が薔薇(U11-4)です。
ご覧のように花の中央部はほぼU10 に近い形状で、これにU7系の外周花弁を追加した構造になっています。
最初に出来上がったバージョンなのでprimaryバージョンとしていますが、この後花弁増しの技法をちょっと追加したStandardバージョンと区別するためです。Standardバージョンは後日改めてご紹介しますが、このprimaryバージョンの素直でスッキリしたイメージも捨てがたいんじゃないかと思っています。
当初のもくろみ通り、U10-4 の縦長のフォルムを複数のU7系の外周花弁が柔らかに包み込んだような、美しい薔薇に仕上がりました。
すでに完成しているU10とU7とを組み合わせてできたU11ユニットですが、1枚の紙に2つのユニットの要素をバランスよく折り込むことは意外に大変で、内外周の花弁サイズのバランス調整のためかなりの時間と紙を試作検討に費やしました。
アートフラワーなどとは異なり、折り紙では限られたリソースを如何に効果的に配置していくかも重要な設計項目です。今回の作品展のために、ちょっとは新作をご披露させていただこうと、頑張ってみた作品の一つです。
さて、「薔薇(U11-4)primary」 いかがでしたでしょうか。
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コメント
白バラも素敵です。紙の質感もいいです。もっとザラザラのとか、シボがあるのも拝見してみたいです。白って、そういう所にも目を向けさせる色ですよね。
そして、このアールが何とも愛おしいです。
投稿: | 2017年6月17日 (土) 17時56分
コメントありがとうございます。
淡い色合いのほうが、陰影によってできる濃淡が明確になりやすいため、緩やな曲線(曲面)で構成される作品の特徴は捉えていただきやすいと思っています。白はさらに素材感まで浮き立たせてしまうようですね。
作品の第一印象にもつながりますので、色もそうですが、撮影方法にも気を使っているつもりです。
何よりも、お気に召していただいたようで光栄です。
投稿: なか(管理人) | 2017年6月17日 (土) 18時29分