« 2019年をふりかえって(投稿記事一覧) | トップページ | 薔薇と鶴のお正月飾り(書籍掲載作品) »

2020年1月 2日 (木)

ねずみと金塊

新年おめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。

さて今回は、子年の最初の投稿ですので、「猫に小判」ならぬ「ねずみと金塊」を劇場中継的な感じでご覧いただきましょう。(この段階でオチが容易に類推可能ですが…)

[開幕]

中央に大きな2本の金の延べ棒。

下手(しもて)から2匹のねずみが現れる。

「ねずみ」北村恵司氏 「金塊」中一隆

ねずみ1:
わ~っ! これがあなたが言ってた「お宝」なのね。
キラキラしていて、まぶしいくらいね。

ねずみ2:
とある 地下金庫から頂戴してきたのさ。

ねずみ1:
頂戴って、黙って勝手に持ってきたんでしょ。 見つかって逮捕されたりしたら、どうするの? 高額な保釈金とか用意できないわよ。

ねずみ2:
大丈夫。 もう何十年もの間、人間たちに忘れ去られていた「お宝」で、存在を知ってるのは我々「ねずみ」くらいだから。
まぁ、いざとなったら、レバントの親戚にでもかくまってもらうさ。

「金塊」創作:中一隆 
とある 地下金庫で静かに眠る謎の金塊たち Mouseの頭文字から通称M資金と呼ばれている

ねずみ1:
国外逃亡ね。犯人引渡し条約を結んでない国が豊富で、助かったわ。もともと、ねずみにはパスポートなんかいらないし。
そうそう、あそこで食べた「ファラフェル 」だったっけ、ひよこ豆のコロッケがおいしかったわよね。
ねぇ、でも、なんだかこれ、すっごく重そうなんだけど… 高飛びには不向きじゃない?

ねずみ2:
1つ60オンス、だいたい1.7Kgくらいかな。相場にもよるけど日本円で時価1千万円相当らしいよ。

ねずみ1:
それにこんなもの、どうやって運んできたの? あなたの体重の20倍以上はあるんじゃない?

ねずみ2:
丸い鉛筆の「コロ」をに下にかませて「テコ」の原理をうまく使って……。
ちょっと昔の話だけど、ピラミッドの作り方を、エジプトの長老(現:イースター島在住)に教えてもらったんだ。

「ねずみ」北村恵司氏 「金塊」中一隆

ねずみ1:
ふ~ん。
ねぇ、でもせっかくなんだけど、あんまりおいしそうじゃないわね。

ねずみ2:
あっ!、かじっちゃダメ!

ねずみ1:
うぇ~、冷たいし、なんだか歯茎に電気が走るみたい。こんなもの固くって食べれないわ。
これが「お宝」だなんて、いったい何考えてるの。

ねずみ2:
何を言ってるんだい、この2本で約2千万円、これだけあれば、ぼくらの老後は安泰だよ。

ねずみ1:
えっ、そうなの。でも老後とか言っても、このままお腹が空いていたら老後までもたないわ。
人間だって、自然災害があったりして食べ物がなくなったら、こんなもの何の役にも立たないわよ。

「ねずみ」北村恵司氏 「金塊」中一隆

ねずみ2:
一生懸命、汗と涙にまみれて、過労死ギリギリの過重労働に耐えて、ここまで運んできたんだ。
今さらそんなこと言わないでくれよ(涙)…。
でも……、そんなこと言われたら……、なんだか、急にお腹がへってきた。

ねずみ1:
なに? ネズミのグルメ? 井の頭次郎吉なの?

ねずみ2:
「そうだ、店を探そう!」じゃなくて、どこかいっしょに美味しいものでも探しに行こう。

ねずみ1:
そうねぇ、この時期は昔だったらどこの家でも鏡餅が食べ放題だったけど、
最近はプラスチックの中に入っちゃってるし。

ねずみ2:
まぁ、それでもお正月は食材が豊富だから、ちょっと一回りしてみよう。

ねずみ1:
ねぇ、それで、この金塊はどうするの? じゃまなんだけど。

ねずみ2:
夏になって暑くなったら、抱きつくとひんやりして気持ちいいと思うョ。

ねずみ1:
え~っ、このまま夏までとっておくつもりなの~。まぁ、仕方ないか。

2匹のねずみは連れ立って、上手(かみて)に去ってゆく。(

・出演
ねずみ1:(リアリスト)  北村恵司氏の作品(月刊おりがみ533号(2020.1月号)掲載)
ねずみ2:(ロマンチスト) 北村恵司氏の作品(月刊おりがみ533号(2020.1月号)掲載)
エジプトの長老: 巨石文明研究家 著書に「魅惑の巨石 -ストーンヘンジから石舞台古墳まで-」鼠の友社 がある。 会話の中のみ
・小道具ならびに補遺
金塊: ホイル折り紙に刻印シール  創作:中 一隆  
ねずみのグルメ: 鼠小僧の末裔に当たる、井の頭次郎吉が黙々と食事をするグルメ番組。終盤で料理を一つの器に集約し、一気にかきこむ。
レバント(Levant):イスラエル、レバノン、シリアの一部にまたがる地域の名称。ねずみ2の祖父はこの辺りの出身らしい。紀元前12500年から紀元前9500年にこの地域で栄えた、ナトゥーフ文明(Natufian culture 亜旧石器文明)の人の食料備蓄量とハツカネズミの大臼歯(化石)の相関に着目した研究がある。
・脚本ならびに演出: 中 一隆

この時間は、劇場中継「ねずみと金塊」をお楽しみいただきました。
あなたの家の屋根裏にも、ねずみが運んできた金塊が転がっていて、熱帯夜の晩には、彼らが抱きついて眠る姿を目にすることができるかもしれません。
今年くらいは鏡餅に歯形がついていても、ちょっと大めに見てやりますかね。

この劇中の「金塊」と北村恵司氏の「ねずみ」は12/16(日)にルミネ横浜8Fの朝日カルチャー花の折り紙」講座にて、12/24(火)にそごう横浜9Fのよみうりカルチャー指先の魔法☆折り紙」講座にて、講習させていただきました。

1月からの折り紙教室の詳細はこちら です。
PCならびにPCモード設定の方は、最新の情報をいつでもこちら からご覧いただけます。

さて、本年最初の記事「ねずみと金塊」はいかがでしたでしょうか。どうか本年もご愛顧・ご愛読(書籍の購入・講習受講もごひいきに)よろしくお願いいたします。

お気に召していただけたら、ぜひ投票ボタンをポチっとおねがいします。

 

出典:「ねずみ」北村恵司  月刊おりがみ533号(2020.1月号) 日本折紙協会

当ブログの作品を集めた拙著「折り紙のバラとくすだま」(日本ヴォーグ社 ISBN:9784529059138)です。
バラのくす玉をはじめ、バラ・カーネーションの花束やバラのテーブルフラワー等の人気作品も掲載。

 

折り紙の楽しさを感じていただけたら、ぜひお近くの折り紙教室へ。

自分で折れたらもっと楽しい。折り紙教室の詳細はこちらです。

折り紙講師のご用命・個人レッスンも承っております。ご依頼・お問い合わせは、こちら メールフォーム からどうぞ。

Instagramへの投稿始めました。スマホからでも高画質の画像をお楽しみいただけます。(@kazutaka.naka)  PCの方はWeb版はこちらから。

Instagram

https://www.instagram.com/kazutaka.naka/

スマホでご訪問の方は、ブラウザ設定をPCサイトモードにしていただくと、当ブログのすべてのページがご覧いただけます。

 

|

« 2019年をふりかえって(投稿記事一覧) | トップページ | 薔薇と鶴のお正月飾り(書籍掲載作品) »

折り紙」カテゴリの記事

折り紙教室」カテゴリの記事

季節の折り紙」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 2019年をふりかえって(投稿記事一覧) | トップページ | 薔薇と鶴のお正月飾り(書籍掲載作品) »