« ねじり折りのスタンダードな薔薇 N3 | トップページ | 日々草(講習作品から) »

2020年8月 2日 (日)

折り図のお絵描きー4(写真からのトレース)

8月に入って、やっと梅雨明けの運びとなりました。7月の日照時間は統計史上最低だったようで、旬の夏野菜の高騰もちょっと気になる感じです。

新型の例のヤツの第二波を避けるべくご自宅での籠城のお供には、ぜひ拙著「折り紙のバラとくすだま」をどうぞ。

折り紙教室はすでに7月より通常営業に戻っておりますが、さすがに緊急事態宣言中の"Stay Home"期間はお休みが続きました。この期間に、新作の創作活動や折り図の整備など普段取り組みにくい作業を進めてきました。多忙を言い訳にして途中で投げ出していた折り図をきちんと完成させることができた作品も数点あって、今後徐々に講習などでお披露目させていただくことも可能になるかなぁと思っております。(まぁ、悪いコトばっかりでもなかったかと…)

さて今回は、「折り図のお絵描き」第4弾 です。

記事「折り図のお絵描き」は、
    折り図のお絵描き- 1(風船の基本形を描く)
    折り図のお絵描き ー2(完成図と作品写真)
    折り図のお絵描き ー3(立体の投影図)
と続いて、今回の第4弾は複雑な立体形状を描画する奥の手である、写真からのトレースです。

U7L-4 完成図(写真からのトレース)創作・作図:中 一隆
U7L-4 完成図(写真からのトレース)

実際に現物の折り紙を折って、写真を撮り、この写真をなぞって立体図を起こすというような手順になります。いったん写真を撮るのはちょっと面倒ですが、絵心がなくても複雑な立体図を描画することが可能になります。

U1-1 完成図(写真からのトレース)創作・作図:中 一隆
U1-1 完成図(写真からのトレース)

お絵描きソフトのレイヤー(階層)機能を使って、写真を最下層に貼りつけておき、このレイヤーは加筆修正できないようロックしておきます。この上の階層に写真の輪郭をなぞって書き込んでゆくわけです。ちょうど写真の上にトレーシングペーパーを重ねて、トレーシングペーパーに輪郭を写し取る作業と同じです。

お絵描きソフトのレイヤーは、各層独立に[表示]/[非表示]を切り替えることができますので、トレーシングペーパーをめくって写真を直接見たり、描いた図のみを見たりするような感じで描画作業を進めてゆくことができます。

U4-4 完成図(写真からのトレース)創作・作図:中 一隆
U4-4 完成図(写真からのトレース)

色を付ける際には、最初は半透明の透き通った半透過属性の色を使うと、下の写真を見ながら進められるので便利です。

こんな手間をかけずに、「写真をそのまま折り図に張り込んじゃえばいいじゃん」とのお考えもあろうかと思います。しかし、写真では照明の具合や陰影、フォーカスや焦点深度(しぼり)設定により、どうしても見にくい部分が生じてしまいます。また角度などによっても構造が明確にわからなかったりしますので、わかりやすい折り図のためには、図の描画は必須と考えています。(もちろん補足的に写真を追加することはアリと思いますが…)

C3 ・カーネーション 完成図 創作・作図:中 一隆
C3 ・カーネーション 完成図

写真の輪郭をなぞるだけの単純な作業と思えるかもしれませんが、誰にでもできる作業ではなく、折り紙作品の構造をよく理解・熟知していないと、正確でクリアーな図を起こすことはできません。結局、業者さんや編集さんに丸投げすることはできないというか、納得した仕上がりを得るためには他人任せにせず、創作者自ら描くしかないようです。(他人の仕事にケチをつけたがるというか、結局自分でやらないと気が済まない性格?)

折り図の作成、特に立体図の描画は非常に手間がかかるため、私の場合備忘録的な展開図や平面の図面まで描いて、そのまま放置してしまうことが非常に多いです。ところが、時間が経過すると作品への情熱が冷めてきて、手間のかかる立体図の取り組みはさらに面倒になってしまう傾向があります。(どんな作品だったか忘れちゃう場合すらありますんで…)

作品創作直後で、達成感と作品への熱い想いがたぎっているうちに、一気に折り図を作成するのが良いのかもしれませんが、折り図作成には頭を冷やして冷静に効率的な作業手順をあらためて検討しなおす場という側面もありますので、なかなか思い通りにいかないというのが実情でしょうか。

まぁそんな感じで七転八倒しつつ、七難八苦に耐えながら、折り紙教室の生徒さんや書籍の読者の皆様に、わかりやすく楽しく作品を作っていただくために、日夜努力を続けているわけです。

結局最近では、実際に折り紙を折ったりいじくりまわっしてるよりも、はるかに多くに時間をPCでの折り図作成に費やしております。なんだか自分が何屋だったかわからなくなってきてますが…。まぁ、エンジニアとして会社で研究・開発・設計をやってた際も、ねじ回しやハンダゴテでモノを作ってる時間より、仕様書・設計書・作業手順書・週報・月報・研究報告書・特許などなど、ドキュメントを作成してる時間の方がはるかに長かったのと同じかもしれません。アマチュアの趣味のモノ作りなら「作りました」「できました」「すごいでしょ」ですむのかもしれませんが、プロのお仕事として取り組むっていうことは、こうゆうものなのかなぁと思っています。

さて、「折り図のお絵描きー4(写真からのトレース)」いかがでしたでしょうか。

お気に召していただけたら、ぜひ投票ボタンをポチっとおねがいします。

 

当ブログの作品を集めた拙著「折り紙のバラとくすだま」(日本ヴォーグ社 ISBN:9784529059138)です。
バラのくす玉をはじめ、バラ・カーネーションの花束やバラのテーブルフラワー等の人気作品も掲載。

 

折り紙の楽しさを感じていただけたら、ぜひお近くの折り紙教室へ。

自分で折れたらもっと楽しい。折り紙教室の詳細はこちらです。

折り紙講師のご用命・個人レッスンも承っております。ご依頼・お問い合わせは、こちら メールフォーム からどうぞ。

Instagramへの投稿始めました。スマホからでも高画質の画像をお楽しみいただけます。(@kazutaka.naka)  PCの方はWeb版はこちらから。

Instagram

https://www.instagram.com/kazutaka.naka/

スマホでご訪問の方は、ブラウザ設定をPCサイトモードにしていただくと、当ブログのすべてのページがご覧いただけます。

 

|

« ねじり折りのスタンダードな薔薇 N3 | トップページ | 日々草(講習作品から) »

折り紙」カテゴリの記事

その他」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ねじり折りのスタンダードな薔薇 N3 | トップページ | 日々草(講習作品から) »