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2021年2月25日 (木)

デル アンバサダープログラム XPS 13(9300)試用記

実は現在、新しい書籍の出版準備をすすめております。既刊折り紙のバラとくすだま に続く第2弾ということになります。
プリントオンデマンドというスタイルによる紙の書籍と、電子書籍とを可能なら同時にリリースさせていただこうと目論んでおります。
紙の書籍は、紙や印刷・製本・運送等のコストがかかってしまうので、どうしてもお高めの価格設定にせざるおえません。そこで、PCやタブレット等環境の整った方には電子書籍でお手軽な価格でご購読いただくことができたらよいなぁと思っています。

現在、鋭意執筆・編集・サンプル撮影等を行っているところですが、数ページの講習の資料作成とは異なり、100ページを超える緻密な図形オブジェクトを大量に盛り込んだデータファイルは意外と膨大(現在25MB弱で増大中)で、PCでの処理に色々時間がかっております。

具体的には編集作業に使っているOpenOffice Drawを起動してファイルを読み込むのに20秒、ファイル保存に30秒以上、PDFへの変換に1分半くらい、電子書籍の標準的ファイル.epub形式からKindleの形式に正しく変換できるかチェックするKindle Previewerで表示されるまでが4分弱といった具合です。

OpenOffice Draw で執筆・編集中の原稿1
OpenOffice Draw で執筆・編集中の原稿2
OpenOffice Draw で執筆・編集中の原稿

もしも最新のハイエンド高スペックなパソコンがあったら、どんなに作業効率が上がるかなぁと思い、このたびデル社さんのアンバサダープログラムを使って、ノートPC XPS 13(9300)をお借りしてみました。
スタイリッシュでハイスペックなPCの使用感と、特に現状のDTP作業でどれくらい作業効率が改善されるかを報告させていただきたいと思います。

今回はパソコンの試用レポートになっちゃいました。折り紙の記事を期待されて訪問された方には申し訳ありません。まぁ、折り紙ファンの皆様により早くより良い図版を書籍としてお届けするための奮闘記とご理解いただけたら幸いです。

まず、モニターとしてお借りしたXPS 13(9300)はこんなモデルです。

プロセッサー :    第10世代 インテル® Core™ i7-1065G7 プロセッサー
OS:                 Windows 10 Home 64ビット 日本語
メモリー:          16GB 3733MHz LPDDR4x メモリー オンボード
ストレージ:        512GB M.2 PCIe NVMe SSD
グラフィックス:  インテル® Iris Plus グラフィックス
ディスプレイ      13.4インチUHD+(3840x2400)フレームレス 光沢タッチ(低反射)ディスプレイ(500-Nit)
付属ソフト :       Microsoft® Office Home & Business
寸法:      高さ:14.8 mm | 2.幅:296 mm | 3.奥行き:199 mm
重量:      最小重量:1.27 kg(タッチ対応)
DELL XPS 13(9300)
優れた特徴は色々ありますが、
一般的なノートPCの表示解像度フルHD(1920x1080)の4倍以上の画素表示が可能なUHD+(3840x2400)液晶パネルを搭載しています。
通常の4K(3840x2160)よりさらにちょっと縦方向に長い1:1.6のアスペクト比で、デジタルカメラ画像の(1:1.5)や文書ファイル(1:1.41)との整合性がよくなっています。16:9のハイビジョン画像(1:1.78)だと上下に空きができますが、再生位置の時間軸スライダーの表示などがピッタリおさまる感じになります。
光沢のあるツルピカ液晶で、個人的には好みですが、タッチスクリーンとして使用すると指紋が気になりやすいかもしれません。

液晶のベゼルがすんごく細く、いわゆる超狭額縁で、こんな中によくカメラだの顔認証時照明用のLEDなど押し込んだもんだと感心します。超狭額縁ゆえに、液晶の表示角度を変えるなど上蓋を掴もうとすると、親指が額縁を超えて指紋がついちゃうなんてことも多く、やっぱりノングレアのほうが良いのかなぁと思ったりします。

ディスプレイ設定

4Kオーバーの液晶により極めて緻密な表示が可能ですが、 13インチクラスの本機での実作業では「ディスプレイ設定」の「拡大縮小設定」をどうしても200%に設定しないと視認性が悪く、結局FHD(1920x1080)液晶に100%表示させるのと作業エリアの広さという面ではほとんど変わりません。これでは「UHD+(3840x2400)液晶が泣く」と思い、頑張って175%拡大に設定するも寄る年波には勝てず、夕方あたり目が疲れてくるとついつい200%に戻してしまいます。もちろんフォントが滑らかだったり、お絵かきソフトで描画する斜めラインのスムーズさには大きな差がありますが、結論としては15インチ以上でないと4Kクラスの液晶はもったいないと感じました。

Iバックライトの光量ムラ
バックライトの光量ムラ

表示能力という面では、液晶そのものは問題ありませんが、周辺部バックライトの光量にムラが認められます。個人的にはとても許容できるレベルでなく(ハイエンドモデルなのになぁ…)とても残念でした。業務用に会社で支給されたPCだったら実用上差しさわりのない問題で済みますが、自分で身銭を切って購入したモデルがこの程度だったら悲しくなっちゃいますね。超狭額縁ゆえ、なのかもしれませんがPCとしての基本性能が犠牲になっては本末転倒でしょう。

HDR ON時の誤表示
HDR ON 時の誤表示

HDRという表示コントラストを上げる機能に対応していますが、HDRをONにして輝度レベルをF6、F7キーなどで変更すると黒レベル近傍の階調がおかしくなる現象がみられました。ドライバー等を最新なものに更新するなどしてみましたが、黒レベル近傍の色が明るく反転してしまい使えるレベルでないため、HDRはOFFとして使用しました。

HDR OFF(正常)
HDR OFF (正常)

インターフェースも近未来的に洗練されており、DisplayPort/電源供給に対応したThunderbolt3(USB-C)が左右に1つずつ、MicroSDカードスロット、3.5㎜イヤホン/マイク・ジャック の4つのみです。
ACアダプタからの給電はUSB-Cポートを使用します。USB-Aが全くなく、付属品としてUSB-C⇔USB-A変換の紐状のアダプタが付属します。我が家の周辺機器は基本USB-A接続ですので、極めて不便で実質紐上のアダプタは常時差し込みっぱなしということになりました。機能・性能的にUSB-C(Thunderbolt3)が優れていることは承知しており、将来的にUSB-AやHDMIなどなくなってゆくのかもしれませんが、現段階では時代を先取りしすぎの感があります。多機能なハブをドッキングステーションライクに使用すれば、ケーブル1本で給電を受けながらHDMI出力やUSB-A機器へのスマートな接続が可能なのかもしれませんが、やはりオールインワンというノートPCの美学を大きく損ねちゃうんじゃないかと思います。訪問先のプロジェクタを使ってのプレゼンなんかを想定すると、さすがにDsubのVGA出力は不要でもHDMIはビジネスPCとして必須といえるでしょう。


さて、本題のDTPを中心としたパソコン作業の効率がどの程度改善されるかを見てみましょう。
仕事を進める上でネックとなっている、以下の項目を自宅にあるノートPC3台と合わせて比較しました。

1.OpenOffice Drawが起動して最初のページが表示されるまでの時間
2.OpenOffice Drawでデータ保存に要する時間
3.OpenOffice DrawでPDFファイルとしてエクスポートするのに要する時間
4.epubファイルをKindle Previewerでキンドル用データに変換処理し最初のページが表示されるまでの時間

OpenOfficeのバージョンは4.18、Kindle Previewerのバージョンは3.50、使用したファイルはレーターサイズ103ページの OpenOffice Drawの .odg形式でサイズは24,975KB、epubファイルは固定レイアウト105ページ、サイズは23,880KBです。

OpenOffice Draw  .odg ファイル(25MB)起動から表示までの時間

OpenOffice Draw  .odg ファイル(25MB) ファイル保存に要する時間

OpenOffice Draw  .odg ファイル(25MB)PDFへのエクスポート時間

Kindle Previewer .epubファイル(24MB) 表示まで

4台を比較してみたところ、お借りしたDELL XPS 13(9300)が一番高速で短時間に処理できるという結果でした。まぁ第10世代Core i7ですので当然といえば当然ですが、現在の我が家のメインマシンであるAeroBookPlus(第6世代Core i5)と比べてメチャクチャに速いというほどではありません。(価格は3倍以上違うんですが……)
要因としては、これらの処理がマルチコア処理に不向きなためのようです。実際にタスクマネージャーでこれらの作業中のCPU負荷を見てみると、30~50%程度の稼働率が継続し、ずっと100%に張り付きっぱなしということはありませんでした。おそらくCore i7の4コア8スレッドの処理能力があっても仕事が割り振られず、Core i5の2コア4スレッドとあまり変わらない結果になったということのようです。

PDFエクスポート時のCPU負荷
PDFエクスポート時のCPU負荷

項目4のKindle Previeweが内部でどんな処理をしてるか詳細不明ですが、項目1~3のファイルの読み書きは、一本のストリームからの入力データを展開処理する、あるいは一本のストリームへのデータ吐き出しであるため処理時間はCPUコア単体性能に依存するということのようです。

昔、電機メーカーでエンジニアをしていた時代に、スケジュールの遅延を上司に報告すると「開発人員を倍にしてやるから、残りの開発日程を半分に短縮しろ!」とかよく言われていたのを思い出しました。そうなんです、作業する人員(コア)が増えても、並列処理に向かない作業だっていっぱいあるんです。(仕事はそんな単純なもんじゃねぇんだよ……)

まぁ、遊んでるCPUコアがあるので時間のかかる処理をしながら、音楽聴いたり、Webブラウズしたり、別のことをする余裕余力があるということになりますが、それなら別のPCを使うって手もありますからね。

昨今のCPUの動向として、ノート向けの低消費電力モデルでは、性能向上のためコアの動作処理クロックの速度を上げるのではなく、コア数を増やす設計になっているようです。クロック周波数を倍にすると処理能力も倍になりますが、消費電力は4倍になってしまうそうで、コアの数を2倍にすることで性能が2倍になるのであれば、消費電力は2倍で済みお得だという考え方です。(まぁ、ご覧のように実際にはそんなに上手くはいってないわけですが……)デスクトップ向けCPUでは消費電力・発熱ともに制限が少ないので、コア単体のクロック(処理能力)を上げやすいようです。

まとめると、現状のDTP作業の効率を大きく改善するためには、ノートPCでは限界があって、単体コア性能(最高動作クロック)が高いデスクトップPCの導入が良さそうです。(オールインワンの美学に反するのは止む得ませんが……)そうですねぇ……インテルに見切りをつけるって手もあるかも……。

比較に用いた4台のPCで最も性能の低いASUS-E203NA(Celeron N3350)は2万5千円程度で購入した超低価格モデルですが、最初の書籍はコレを使ってすべての図面を描いています。小さなファイルに分割して処理したり、校正時には修正箇所が複数個まとまった段階で起動・修正・保存・PDF変換するなど工夫すれば安価なPCでも仕事はできるってことです。ちなみに、ASUS-E203NAは重量980gで、今回のDELLのマシン1.27Kgより軽量で、しかもファンレスです。(なんと価格は1/8!)

高性能な機器の活用によって、効率よくサクサク仕事を進めることができ、時間的余裕や精神的ゆとりにつながることは間違いなさそうですが、作品創作の技量が直接的に向上するわけではありません。お金が無くて高性能なPCが入手できないことを嘆くことなく、仕事がはかどらないのを環境のせいにせず、工夫を重ねてコツコツ努力してゆくことが肝要なのかなぁというところです。

ちょっと辛口の評価が多くなってしまいましたが、他によいなぁと思った点を以下にまとめます。
1.タッチパッドの表面素材がスベスベで触り心地が快適。
2.左右どちらのUSB-C端子からも給電できるので、電源ケーブルの引き回しがラク
3.付属品のACアダプタが優れもの。ケーブル付根の耐久性もありそうだし、プラグに給電可を示すLEDが点灯するのはすばらしく便利。
4.内臓スピーカーの音が意外とよい。ノートPCの割にはある程度低音もしっかり出る。
5.内蔵のリッド センサーで 蓋をあけると自動的に電源ONで便利。電源ボタンは不要かも(指紋認証には使うが…)
6.先進の洗練されたインターフェースの中で、3.5㎜イヤホンジャックは超レガシーでホッとする。(ブルートゥースじゃねぇんだ)

なによりも素晴らしいのは、最新セットを1か月も無料で借用できる「アンバサダープログラム」という仕組みです。ハイエンドPCはそれなりに高価な買い物になるにも関わらず、実際に使ってみないとわからないことが非常に多いです。例えば液晶のバックライトの光量ムラなどは、おそらくメーカーとして製品の出荷基準はクリアしてるにも関わらず、私個人のレベルでは満足できない問題です。知らずに購入した場合、個人的に不満だからといって返品・返金してもらうことは難しく、涙をこらえて我慢して使用し続けなければならなかったでしょう。

このデルアンバサダーに登録しておくと、当記事のように最新のデル社のPCがモニターとして借用できたり、この借用期間スポーツのライブネット配信であるDAZNの視聴ができたりするようです。(私は個人的にスポーツに全く興味がないため使用しておりませんが…)さらに、デル社さんの製品が特別価格で購入できる特典もあるようです。

今回は私個人の具体的な作業で、PCの性能Upにより作業効率がどの程度改善されるか調べてみました。逆に一般にPCの評価・レビューに出てくるようなメジャーなベンチマークテストは行っていません。まぁ私が専門家でないということもありますが、今回の評価で人によって事情(重要視するポイント)が違い実作業と必ずしもマッチするものでないと感じたからです。まぁ、高価なCPUやそれを使ったセットがどれほど高性能であるかを示し、購買意欲を刺激するための指標はきっとどこかに必要なのかもしれませんが…。

長いレポートになってしまいました。当記事・評価がすべての新しくノートPCを購入される方の参考になるとは思えませんが、購入前によく調査・可能なら試用されることをお勧めしたいです。そして今回高価なモニター機をお貸しいただいたデル社さまに深く感謝いたします。ありがとうございました。

さて、「デル アンバサダープログラム XPS 13(9300)試用記」いかがでしたでしょうか。

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京急COTONOWA 花の折り紙 13:30~15:30
場所:京浜急行・市営地下鉄 上大岡駅直結「京急百貨店」10F

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  3月13日(土)13:30-15:00  初代川崎ローズとそのアレンジ
  3月27日(土)13:30-15:00  バラの花束   ※3/13講習のバラを使います。バラの講習はありません。
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